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2020年03月16日00:41

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一日遅れ日記、山手線新駅と常磐線の再開通

 昨日はほぼ終日、冷たい雨が降っていた。
 本を読んでいて、久しぶりに涙が溢れた。
 こういう日は涙が続くもので、ニコニコ動画にアップされていた(不法の)ドキュメンタリー映画を観ても泣いてしまった。それは『おいしいコーヒーの真実』というタイトル名で、エチオピア南部のコーヒー豆栽培農家の困窮した暮らしぶりと、欧米主導の巨大な市場マーケットの「闇」を対称的に描いた作品だった。自分の立場は貧苦にあえぐ「奴隷」たちの働きによって、のうのうと安価なコーヒーを一日に3杯飲む「王様」で、隠された真実を敢えて意識しない、ということだろう。印象的なシーンがいくつもあるのだが、痩せた3〜4歳の子どもを紐でぶらさげて体重を測る姿とか、コーヒー豆の売価が安すぎるために(カップ1杯分あたり1.7円)違法な麻薬栽培に転作する農民の姿とか、見ていて心が痛んだ。
 夜、風呂に浸かって、夕刊を読んだ。
 一面に2つの鉄道記事が載っていた。「高輪ゲートウェイ駅が開業」、「常磐線9年ぶり全線再開」。
 鎌倉の前に住んでいたのは田町から品川駅方向に歩いて8分のマンションだった。そのマンションから品川駅までは徒歩15分。高輪ゲートウェイ駅の正確な場所を知らないが、たぶん旧居マンションの最寄り駅は高輪ゲートウェイ駅だろう。徒歩6分ってところか、だから微かながらに新駅は興味があった。
 しかし関心度は常磐線のほうが高い。小見出しをみて、朝日新聞の見識を疑った。
「震災前の姿 戻った」
 富岡と浪江の20キロが繋がって、東京と仙台が一本の電車で結ばれた。
「震災前の姿 戻った」と28Qくらいの大きな字で書かれたら、「震災前に戻った」という印象を読む者に与えてしまう。
 記事が、<富岡町に住む農家の渡辺伸さんは「震災前の姿に戻り、本当によかった」と話した>と結ばれているので、整理デスクがこんな小見出しにしたのだろう。
 少なくとも福島の浜通りは震災前の状態に戻っていない。夜ノ森駅も双葉駅も浪江駅も駅からものの5分も歩くとまだ立ち入り禁止区域である。解除される予定はあるものの、汚染土がパンパンに詰まったフレコンバッグの山があちらこちらにあって、さらにこの汚染土の中間処理という名の集積所が福島に作られようとしている。最終処理場の計画も候補地もないままに、だ。
 次はどこに行こうか、と先月、旅行から戻ってきてすぐに地図を広げ、全線再開通の常磐線特急に乗ってみたいと思っていた。新幹線と違って、特急電車は乗っていて楽しいはずだ。だからこうして開通したのは嬉しいのだが、朝日の小見出しも気に食わないし、ましてやこれからの福島もこれまで通りで首都圏の「奴隷」県であることがさらに気に食わないのだ。
 昨夜遅く、常磐線の新しい時刻表を見てみた。
 ローカルだ! 普通列車の本数があまりに少ない。
 柳美里がいま住む小高駅が最寄りの高校生が、秋吉久美子の母校いわき女子高に通う、という設定で時刻表を追ってみた。磐城女子高は磐城桜が丘高等学校と名前が変わっていたのは余談だが。
 朝7時02分小高駅発→8時12分いわき駅着
 夕方16時46分いわき駅発→18時02分小高駅着
 電車は1時間から2時間に1本しかなかった。
 常磐線を使って通学する高校生は少ないだろうなぁ。
 上野もしくは品川から仙台に直行する特急ひたちは、上野13時発・仙台着17時26分で4時間半という乗車時間だ。しかし本数はやっぱり少なかった。
 常磐線は大動脈とまでは言わないが、主要な血管だろう。この国は鉄道事業もしっかり資本主義なので、需給バランス重視もやむを得ないってことか。
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