パドマサンバヴァの秘密の教え２（７６）「身体の病気と痛みという妨害を取り除くこと」

◎身体の病気と痛みという妨害を取り除くこと


「次に、身体的な病や痛みという障害を取り除くためには、５つのポイントがある。つまり、病気が長続きする基本、病気が起こる原因、病気を培う状況、その成熟した結果、そしてその治療法である。

　病気は、気道の状態によって、そして習慣的な傾向によって、潜伏して長く続く。それは、迷妄や自我執着を通して蓄積された、健康に悪いカルマのために起こる。それは不穏な感情、概念的思考、プラーナ、神と悪霊によって活性化される。
　それが熟した結果は、熱、寒さ、粘液、痛み、および腫瘍による４０４のタイプの病気である。

　すべての病には、５つの要素がある。
　潜在している基礎的原因としての病のカルマ、
　状況としての有害な感情、
　結合する結びつきとしての概念的思考、
　結果を下す組み立て人としてのプラーナ、
　支援する要素としての神霊や悪霊である。

　例えば『寒さ』の病が顕現するならば、それはすべての土台の中に現存している愛著の習慣的な傾向によって引き起こされ、そして激しい愛著の状況で活性化される。
　結合する結びつきは、『わたしは病気です！　わたしは障害があります！　より悪くなったらどうすればいいのでしょうか？」という概念的な思考によって作られる。
　これは『下向きの風』の動きを引き起こし、誤動作（機能不全）を引き起こし、女性的な霊からの邪悪な攻撃に対してあなたをさらす。

　同様に、原因としての怒りの種は、概念的な思考の結び目と結合した、強い怒りの状況を通じて活性化される。これは『火の風』の誤作動を引き起こし、男性的な霊からの邪悪な攻撃にあなたをさらし、熱の病をもたらす。

　原因としての迷妄の種は、概念的な思考の結び目と結合した、強い迷妄の状況によって活性化される。これは『上昇の風』の誤動作を引き起こし、邪悪な地の霊からの攻撃へとあなたをさらし、粘液の病をもたらす。

　原因としての嫉妬の種は、概念的な思考の結び目と結合した、嫉妬の状況によって活性化される。それは『生命を支える風』の誤動作を引き起こし、邪悪なツェンの霊からの攻撃にあなたをさらし、痛みの病をもたらす。

　原因としての傲慢の種は、概念的な思考の結び目と結合した、強い傲慢の状況によって活性化される。それは『充満している風』の誤作動を引き起こし、邪悪なギャルポの霊からの攻撃にあなたをさらし、腫瘍の病をもたらす。


　その原因が無明ならば、あなたは病を治すために、根本無明を認識しなければならない。
　その状態が動揺させるような感情ならば、あなたは均衡の中に注意を落ち着かせなければならない。
　結びつけるものが概念的思考ならば、あなたは、思考の結び目を断ち切らなければならない。
　結果の集まりがプラーナならば、あなたは、プラーナのポイントに焦点を合わせなければならない。
　補助者は神霊や悪霊である。つまり、あなたは悪霊の概念を捨てなければならない。
　これを行なうことによって、あなたは、あらゆる種類の病気から解放されるだろう。


　病気の本質（根本）を治すためには、三つのポイントがある。
　最善は、それが自己解放されるままにすることである。
　次に善いのは、悪魔払いや瞑想に関する基準点を捨てることである。
　三つ目が、観想によってそれを治すことである。

　薬を一服さえ飲んではいけない。治療（癒し）の儀式などを一つもおこなってはいけない。病を過ちと見なしてはいけない。また、それを美徳（美点）と見なしてもいけない。心を自然発生的にままにしなさい。簡潔で思考のない自然な状態に完全にあるようにしなさい。そうすることによって、概念的思考の流れは断ち切られる。つまり思考のない覚醒が始まり、病は取り払われる。病と思考は同時に解放されるのだ。


　次に、取り除くこと、また瞑想することには、三つのパートがある。
　逆境を変容させること、
　直接的に断ち切ること、
　および均等化（平等化）することである。

　まず、病を感謝を持って見なさい。そして、
「なんて素晴らしいんだ！　病よ、あなたによってわたしは、概念的な悪霊を断ち切ることができる。」
と、何度も考えなさい。心を喜びに満ちさせなさい。その病を癒す食物を食べ、逆境の道の中で喜びを持って行為しなさい。
　次に、温かい、しかし蒸していない、薫り高い固形の食物を食べなさい。そして湯気が立っている温かな薫り高いスープをいくらか飲みなさい。
　プラーナの瞑想をすることによって、上半身の病は吐き出され、下半身の病は清め落とされる。病が立ち退くこのプロセスは、「断ち切る」という薬である。

　第２に、直接断ち切るためには、輝いている表情を前面に出し、泣き顔を止めなさい。
　精神的には、「わたしは病気で弱っている。わたしはどうしたらいいのだろう？」などと考えるという心配や希望や恐れを断ち切りなさい。全く無視することによって、これらの心配を遠くに投げ捨てなさい。

　第３に、平等化するためには、不運が生じたらすぐに、あなたはそれを道として利用しなければならない。あなたの正智を輝かせ、そして修行の修習を自分に思い出させなさい。
　病気を打ち消すための観想などを瞑想してはいけない。そして、治療（ヒーリング）の霊的儀式や、医療的な治療を適用せずに、だれが気分が悪いのかに関するアイデンティティを調べなさい！　
　その継続的な状態に安らぐことによって、ある経験が起こったならば、それはひとりでに消える。認識が起こったならば、それは空の認識として始まる。少なくとも、自分が病であるという考えによって苦しむことはなくなるだろう。


　最後に、観想によって治療するためには、菩提心を起こし、蓮華座を組み、自分自身を神として観想しなさい。心臓の中心に紺色のフーム字を小麦の粒程の大きさで観想しなさい。

　それが熱の病ならば、小麦一粒サイズの白いフーム字が心臓の中心のフーム字から現れ、自分の上半身を旋回することを観想しなさい。それはまさしく磁石が針を集めるように、すべての病気を完全に引き出す。そしてそれは頭頂から飛び出し、空間に消えていく。これを観想し、その風を上方に引上げなさい。

　それが冷たさの病ならば、心臓の中心から現われる小麦一粒サイズの赤いフーム字を観想し、あなたの下半身を旋回させなさい。そしてそれは下の穴を通して抜け出て、地球の中心に消えていくと観想しなさい。

　腕や脚にできものや腫れ物などができる病ならば、病の箇所に黒いフーム字を観想しなさい。それが病を集め、できものを通って、または指先を通って外へ出て行くと観想しなさい。

　診断されていない病気のためには、紺色のフーム字が、心臓の中心のフーム字から現われると観想しなさい。それが全身から病を集め、呼吸とともに鼻孔から外に出て、空中に消えると観想しなさい。」