子供たちを虐待していた父親を殺めて服役した母親が15年後に実家に戻ってきて子供たちと再会し、子供たちと家業のタクシー会社が大きく揺れ動く。
意外と多作の白石和彌監督本年3作目の公開作。今年の中では本作が一番出来が良い。
一筋縄ではいかない三兄妹とタクシー会社従業員の面々たち。妹役の松岡茉優はわあわあ喚いているだけで実は何もしていない。長男の鈴木亮平と次男の佐藤健の各々のドラマが深くて面白い。そして何と言っても母親役の田中裕子の存在感。
並行して描かれる佐々木蔵之介のストーリーが重たくて良い。あの夜は何だったんだ、と慟哭するシーンが深い。タイトルの「ひとよ」とはこのことであったのか、とも思わせる。
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