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2019年10月03日04:49

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内容より細部が楽しい78年前の映画、って、つまり“いい映画”でしょ。ヘンリー・ハサウェイ監督「丘の静かなる男」(1941)。

「丘の静かなる男」という邦題は、ソフト化するにあたって付けたようです。つまり、ジョン・フォードの「静かなる男」を想起させることで拡販を狙ったわけ。原題は「丘の羊飼い(The Shepherd of the Hills)」で、ハロルド・ベル・ライトのベストセラー小説だそうです。ミズーリ州のブランソンという舞台の町は、テレビ「アメリカの町」シリーズでも紹介していました。

この「丘の羊飼い」は、「駅馬車」(1939)の成功で西部劇スターとして人気が出たジョン・ウェイン主演作。ハサウェイは、ウェインと'50~60年代に「失われたものゝ伝説」「アラスカ魂」「サーカスの世界」「エルダー兄弟」があり、69年の「勇気ある追跡」ではオスカーをもたらしました。もちろんハサウェイは「西部開拓史」も監督していますが、ウェイン出演場面ではありません。

「丘の羊飼い」の物語は、母親を捨てて家を出た父親に恨みを持つマット・マシューズ(ジョン・ウェイン)が主人公。とはいえマットたちは密造酒を作っているわけで、一般人からは鼻つまみ者という感じです。そこへダニエル・ハウイット(ハリー・ケリー)が現れて、マットの生家である牧場を買いたいと言い出す、という展開です。

ウェインが当時34歳で、相手役のベティ・フィールドが25歳でした。僕にはお母さん女優であるフィールドですから(おばはん女優とは言いませんよ)、こんな若い時代があったんだと驚愕。今僕がひいきにしているAKB48のほとんどのメンバーより若いんとちゃう?←実年齢もそうだけど、ピチピチ・ギャル感がすてきでした(裸足が印象的)。

マットは母親が死んで父親が出奔しているから、叔母モリー(ボーラ・ボンディ)の家に住んでいます。同居人にウォード・ボンドがいるし、叔父役はジェームズ・バートンでした。そして雷に打たれてから口が利けない若い従弟ピートがマーク・ローレンス。「ファール・プレイ」や「007/黄金銃を持つ男」などの悪漢役とは違っていい感じでした。

目の不自由なベッキーばあさんがマージョリー・メインで、世話しているクートがジョン・クォーレン。最初のシーンのクォーレンは、子供かと思うほど若く感じました。その娘でハリー・ケリーに体調を治してもらう娘がかわいかったのですが、「拳銃貸します」以外の映画に出ていないようで残念です。←Virita Campbell(ヴィリタ? ヴァイリタ?)といいます。あとヘンリー・ブランドンも出ていたようですが、気がつきませんでした。

言い訳をすると、新しいレコーダーを買ったおかげで2週間見放題のスカパー衛星劇場で録画したのですが、BD−REに収録して別のデッキに移そうとしたら、SP録画したから移動できないのでした。DRで録画していたら等速だけど移せたのに。←WR-2009という東芝機は、編集が今までと違って思いどおりにいかないのです。てなわけで消すしかないのでした。←録画状態も悪かったから、REのまま保存はできません。

なお、ベティ・フィールズが着替えで背中を見せるシーンがあり、ヘイズコードはどうなっとるねんと思いましたが、ハサウェイ監督は男性スタントマンの背中だと言い通したそうな。ベティ・フィールズが後に“自分で演じた”と告白しているようです。そうなると、この映画は録画し直さないと。なにしろジョン・ウェイン初の総天然色(テクニカラー)映画ですしね。

この映画はパラマウントの作品ですが、テレビ放映に関連してパラマウントがユニバーサルに、700本まとめて権利を売り渡したそうで、それ以後ユニバーサルの権利となったようです(それを嫌ってヒッチコックが自作の権利を買い取り、ユニバーサルへ移籍したんですな)。だから1953年以前の作品だけど、PDにはなっていないわけか。などなど、トリビア満載の作品でした。

写真3は「バス停留所」(1956)で、右がベティ・フィールズ、左はホープ・ラング。
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