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2019年09月27日05:22

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この映画の長所は、上映時間が90分以内だということだけじゃなかった。ジャン・フランソワ・リシェ監督「ブラッド・ファーザー」(2016)。

かつて「ショウビズTODAY」というアメリカでの映画興行ニュース番組があり、そこで常套句として使われていた言葉が、“この映画のもっともいい点は、上映時間が90分に満たないことです”でした。それも散々クサしておいて最後に付け加えるから、見事というか…。今回は、それを踏まえていますが、褒め言葉として使用しました。

物語は、仮釈放中の父親リンク(メル・ギブソン)のところに、失踪中の娘リディア(エリン・モリアーティ)からSOSの電話が来ます。別れた妻が報奨金を出している訪ね人です。リディアは母親の元を出奔し、ギャングの恋人となっていたのですが、度胸試しで人を射殺しろと命じられて逃走した、てなぐあい。

このエリン・モリアーティ、「エイリアン・バスターズ」でヴィンス・ボーンの娘で、「はじまりの旅」にも出ていました。14歳で家出して今は18歳という役どころを22歳で演じています。僕の年齢になったら、そのあたり誤差の範疇ですからOKね。

金持ちと再婚したママの家を出て、なんでギャングの恋人になるねんと思って見ていたら、実の父親リンクが結構なワルなのでした。「リーサル・ウェポン」の刑事も、あのシリーズを辞めたら悪の道まっしぐらだったのか。←監督作に金が必要だった、と理解してあげましょう。

てなわけで、父親らしさを見せようとする90分弱で、余計な部分なしだったのに好感が持てました。←後半に「キル・ビル VOL.1」の保安官が出てきて、悪モンの元締めみたいな感じですが、なんか貫禄がなくてしょーもないけどね。そんなことは、見ている間には思いつかず、これを書くにあたって思い返すからそうなるだけのこと。“気にしないの助音頭”でも口ずさんで、ボーッと見てりゃええんです。

監督のジャン・フランソワ・リシェは、4時間のギャングものを作った人(それを2本に分けて公開しやがった)ですが、90分未満でまとめる力もあるやん、という感じ。このネタには10年前にスタローンが色気を出していたそうですが、メル・ギブソンは彼より10歳ほど若いから同じですね。

この映画最大の難点は、アイ・キャンデー女優が娘役のエレン・モリアーティ独りだということ。こっちは父親役に感情移入するから、実の娘に色気を感じるわけにはいきません。そんな倫理観を忘れられる人には格好の娯楽作だと思います。でも、楽しんだとしても88分しかありませんから、それが最大の欠点と言えるでしょう。

写真3が先述の貫禄ない悪モンの元締め。「天地創造」でアダムを演じていたけど、それ以外に何か印象に残る映画あったっけ?←そもそも名前もうろ覚えですねん(笑)。
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