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2019年02月02日23:48

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酒呑童子絵巻

酒呑童子の話は、頼光や金時に退治されるところばかりが有名で、全体はあまり知られていない。
しかし近世期には定番のお話で、もっと詳しく知られており、川柳や草双紙にはしばしば登場する。
今回、根津美術館で「酒呑童子絵巻」がまるまる公開されるというので行ってみた。
根津美では、三種類の酒呑童子絵巻を所蔵しており、今回それらを展覧していたが、目玉は19世紀の住吉弘尚の描いた八巻本で、49の場面すべて広げられている。
酒呑童子は3歳から酒を飲んだため比叡山に修業に出される。しかし宮廷で舞の褒美に酒を出されて飲んでから本性が蘇り、比叡山を追われてしまう。
つまり、アル中の症状を鬼にたとえていると思われる。
その辺りが、江戸時代に広く読まれていた要因なのかもしれない。
最後は、切られた鬼の首が飛んで、頼光の頭に食いつくが、神から授かった兜のお陰で頼光は助かり、鬼は退治される。

16世紀の絵巻では、「童子」っていう名前よろしく、酒をかっくらって寝ている顔はけっこうかわいい。

展示室3以降は、酒呑童子から離れて通常の展示。「百椿図」や<初釜>と称して茶道具を並べるなど、新年らしい雰囲気を出している。


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