ネロが見たかった絵は、来ていません。
ルーベンス展〜バロックの誕生
@国立西洋美術館
もっとあとに講演をききがてら、と思っていたのですが 目的のものの前に時間がありましたので行ってみました。 (…というのが申し訳ないくらい、混んでいました。
さすが、ルーベンスですものね! )
開幕前から「肉」「肉」とみなさんおっしゃっていましたが
はたして、なかなかそのとおりでした。
40点以上も真筆をみますと、素人の私でもその迫力がわかります。
メインビジュアルの《パエトンの墜落》はじめ、
ベルニーニやランフランコとは比べようもないほど早い筆致で描かれているように見えます。
王の画家にして画家の王、というキャッチフレーズのとおり、
大規模な工房を構えて作品を量産するやり手で
宮廷においては外交官として活躍するなど官僚としても優秀だったようですね。
《アベルの死》 の来歴には驚きました。
もとは《ヨハネの斬首》だったものを
18世紀前半にシャルル・コワベルにより加筆され
処刑人とサロメが消されて犬とアベルの頭が描かれて現在の姿になったというのです。
ええっルーベンスに加筆
という感じですが
持ち主の希望で手を加えるというのはよくあることだったといいます。
X線調査で、元の絵がローマのステファノ・マテルノの彫刻《聖カエキリアの殉教》
に基づくものだというところまでわかっているときくと、もとの絵を見たくなります。
光の中に横たわるアデル(ヨハネ)の身体…
いつものようにグッズにはなっていませんでしたが
心に残る作品でした。
1月20日まで。
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018rubens.html
ログインしてコメントを確認・投稿する