大きな風景のなかに描かれた小さな人物や動物がものすごく可愛い。
生誕150年
横山大観展
@東京国立近代美術館
明治維新の年に生まれ、現在の藝大の1期生だった横山大観を
常に他の画家との世代基準にしてきました。
そのわりに画業については「富士山の絵が多い」というイメージくらいで
あまりわかっていなかったようです。
今回の大回顧展は明治、大正、昭和と3つの時代毎に整理されており
大変勉強になりました。
見所はフライヤーに尽くされていますね。
なんといっても
・日本一長い(40m)絵巻である重文《生々流転》の一挙公開
でしょう。
《夜桜》《紅葉》同時展示が始まらないうちに、と早々に見てきました。
(同作品は京都巡回の折に拝見いたします)
《生々流転》が圧巻だったのはもちろんですが、そのほかに
個人的に面白かったもの、いくつか。
◆《月下牧童》
伝統的な題材ながら朦朧体のグラデーションが新鮮。
それでいてくっきり細密に描かれた牛と童がなんとも可愛い!
単眼鏡を覗いて思わず笑みが。
◆《名家寄書き》
篭に盛られたのはなんとおびただしい落款。
さらに絵画の部分が合作。 猫を描いたのがが横山大観、籠が菱田春草、蝶が寺崎広業、 団扇が西郷弧月。
大観の個人の作品ではないけれどなんとまあ面白い。
このほか菱田春草の通夜に横山大観・下村寒山・
木村武山・ 寺崎広業・河合玉堂が寄せ書きをした《花卉線香》もありました。
◆題材がかわっていると思ったもの
《迷児》・・・・・子供をキリスト・孔子・釈迦が囲む。信仰のゆらぐ世相を表す。
《彗星》・・・・・1910年のハレーすい星を描く
《焚火》・・・・・3福の掛け軸、中央が燃える火。左右が人物。古来からあるものでしょうか。
◆《野に咲く花二題》
豪快な作品のイメージからするとびっくりするような可憐な作品。
アザミとタンポポ。タンポポには目を凝らさないとみえないほど繊細な
綿毛もとんでいます。
5月27日まで。
6月8日から京都国立近代美術館に巡回。
http://taikan2018.exhn.jp/
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収蔵作品展示で李禹煥のミニ特集をやっていました。
《風と共に》(購入) って…最近買ったのでしょうか?
美術館前庭のキッチンカーで売っていたミクニのお弁当も美味しかった。
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