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2018年04月14日17:39

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田中一村

鮮やかな色彩、そればかりでなく白と黒が素晴らしかった。


田中一村の絵画
〜奄美を愛した孤高の画家〜
@岡田美術館
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若冲の《孔雀鳳凰図》を所蔵する岡田美術館、
コレクションの充実ぶりを漏れ聞くたびに行きたいと思っていましたが
所蔵する田中一村(1908-1977)の初公開ときいて思いきって足を伸ばしました。



箱根湯本から登山電車でアクセス。




館内はスマホやカメラ、飲食物は持ち込めません。
ロッカーに荷物を預けて箱根価格の入場料2800円を払い
空港のようなセキュリティゲートを通ります。


企画展示は4階でした。
当初の2フロアから1フロアに縮小されていましたが
これ、後期展示になったら拡大するのでしょうか。

栃木県に生まれ幼少期から南画に親しんだ一村は
18歳で東京美術大学に入学するも2ヶ月余りで退学、
以後独自の道を歩みます。
50代で奄美に移住、以後亜熱帯の自然を日本画で描きました。


いま展示されている一村作品は7点。
・紅海棠に叭叭鳥(s20年代)
・揚羽蝶(s20年代)
・熱帯魚三種(1973)
・花菖蒲(s30頃)
・あぢさい(1955頃)
・瀑布(1955頃)
・白花と赤翡翠(あかしょうびん)

メインビジュアルになっている《赤翡翠》はエンジェルトランペットの白の階調に鳥の暗い赤、間違いなしの名品です。

《熱帯魚》は上からアオブダイ、シマタレクチベラ、アオブダイ。
熱帯らしい鮮やかな魚を画面一杯に並べて。
(食べられるの?)

色紙サイズの小品にもいいものがありました。

《瀑布》
色紙には珍しい絹本、墨絵のような白黒でありながら盛り上がりのある画材です。
白い滝水には胡粉が使われています。

決して多作ではなかったらしいことは
「一年かけて3枚です」と手紙に書いたことからもわかります。

作品の少なさを補うように関連展示として

美術学校でつかの間同期だった東山魁夷を展示したり

伝統的な花鳥画を示すことで同じ題材を取り上げながら一村がいかにオリジナリティを持つか示したりしていました。


***

初めての訪問なのでコレクション展示もじっくりと。

それがまたよかった。



展示室は薄暗くガラスケースの中も黒。
所々にタッチパネルの4国語作品解説機があります。
日英中韓のほか「こども」というボタンがあるのもいいですね。

1階
(1)中国古代青銅器・埴輪等
(2)唐三彩等
(3)中国陶磁器
(4)青磁と韓国陶磁
(5)清代の陶磁

展示数がとにかく多いな…景徳鎮もこれ程あると…ととばしはじめたところで足が止まりました。

建窯の油滴天目。
青貝台の蓋裏の箱書きが小堀正之、
藤田伝三郎、井上馨、益田孝の旧蔵品。。。

そして「天青色」の汝窯青磁の鉢!にまさかお目にかかるとは思っても見ませんでした。

2階は日本の陶磁器が鍋島古久谷、柿右衛門に古伊万里。
壁には複製ですが歌麿の雪月花
《深川の雪》《吉原の花》《品川の月》が2mの高さで並びます。
《深川の雪》は岡田美術館のものなのだから、これくらい本物を見せてほしいな。傷むから無理か。

3階には光琳の金屏風、久隅守景の水墨画。
戌年特集の円山応挙4点は可愛かった。
最後にまとめてテーマから外れたものを
ごそごそ展示しているのが上村松園に鏑木清方ですからレベルの高さがわかろうと言うもの。

最初に出品目録はないのかとちょっとがっかりしたのですがこれは無理かもなーと思いました。

もう少し気候がよくなれば、足湯をしながら
風神雷神を眺めるのもいいかもしれません。
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田中一村は9月24日まで。
《アダンの海辺》は8月24日から展示されます。
http://www.okada-museum.com/exhibition/

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