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2018年01月24日21:16

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西部邁さんのことなど

 一昨日、保守派論客の西部遭氏が自裁した、という報道に接したとき、故人には多少申し訳ない感情ではあるのだが、彼は真に知性のある教養人だったという畏敬の念が湧いた。左翼を見下すキャラクターは自己韜晦を伴ったポーズだと思ってはいたものの、元学生運動家が吐く左翼批判は脆弱性を巧みに突くために、不快感が先に立って素直に論を聞くことが出来なかった。三島由紀夫は三島流で、西部遭は西部流で、それぞれ止揚の限界点としての自己決着を付けたのだろう。私は自殺を半ば肯定、半ば否定する者で、ごく一般人と同じく意志は茫洋としている、というか真の自我は確立されていない。肯定するなら肯定する、否定するなら否定するとはっきり表明出来る人は、自我がある。
 西部氏のニュースを知った時間は、予定なら早期退職をした友人と駅前のカフェで会話をしていた。が、彼から前日の夜、寒さが体に堪えるので延期して欲しいというメールが入った。術後、彼は比較的副作用の少ない化学療法を続けているのだが、それでも手足の痺れやむくみ、全身倦怠、手先の痛みなどが一時にあって、寒風の中だと歩くさえつらい、とたびたびメールで訴えていた。
 彼からメイ・サートンの『総決算のとき』を借りていた。余命宣告された60歳の女性編集者の半年を描いたドキュメンタリー風の長編小説で、書き出しの50ページくらいを読んだ時点で、ひどく自分は戸惑った。彼は純粋に出来のいい教養小説として私に勧めたのか、残り少ない生をどんな風に感じながら生きているのかを彼自身が私に伝えようとして私に貸し与えたのか? 女性編集者の衰えていく様や葛藤や歓びを一行一行追いながら、自分の視点をその女性編集者に置けばいいのか、病魔と闘う彼に置いたらいいのかが分からないのだから、読書中は最後までひどく困惑してしまい、二重の苦痛を味わわされた。
 
 ようやく街は雪が溶けた。が、うちの庭にはまだ堆く雪が積もっている。
 関東一円が大雪に見舞われていたとき、おかしなことをしていた。
 日曜日にある個人のブログに行き着き、読んでいくうち、著者にシンパシー以上の「愛」を感じてしまい、その感情は読むに従って嵩じた。
 で、全体の3分の1くらいの時点で、いったん読むのをやめた。彼に対する好感とは別に、ひょっとしたら本になるのではないかと思い、ブログすべてをコピーしてプリントアウトしてみようと考えた。コラムは60本くらいだ。一本コピーしてはpages(ワードのMac版みたいなアプリ)にペーストし、また一本コピーしては貼り付ける。
 全部のコラムをpagesにコピーし、読みやすいように全見出しの級数を大きくしてみた。さらにコラムとコラムの間の行間を統一させたり、明らかな間違いを直したりして、第1段階の編集作業を始めてしまった。
 本文を10Qにして全体を整え、印刷を掛けてみたら、A4用紙でちょうど40枚に収まった。で、赤ペンを握りながら一気読みしてみた。
 やっぱりこいつに会いたい。推定であるが、私より4つか5つ年下の男だ。ブログは2011年以降更新していない。ブログにはメールアドレスもないので、どうやってコンタクトをすればいいのかわからない。しかし、取っ掛かりとしてのブログはあるわけだから、コメントを付けることは出来る。まずはそこから始めてみよう。
 あまりに寒いので、明日から温泉旅に出て来ます。
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