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2018年01月01日08:11

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パトゥル・リンポチェの生涯と教え(14)



◎物を持つことについて


 パトゥルはよく、世俗的な関心事の無益さと、輪廻の性質は本質的に満足をもたらせてくれないものだということを指摘していた。特に、所有物を持つことで生じる、永遠に終わることのない問題を強調して、こう言った。

「わからんのか? 金を持ったら金の問題を抱える。家を持ったら家の問題を抱える。ヤクを持ったらヤクの問題を抱える。ヤギを持ったらヤギの問題を抱えるのだ!」






◎おどろおどろしい鳥葬場で開いた悟り


 あるときパトゥルは、昔から獰猛な悪霊たちが出没することで有名な恐ろしい場所であるミンヤク地方のラウタンの鳥葬場で、昼夜を過ごしていた。眠りに落ちると、パトゥルは恐ろしい悪霊の経験をし始めたのだった。彼は自分の師や、ゾクチェン系統のすべての師たちに祈りを捧げた。すると突然、パトゥルは深遠なる悟りの境地を経験したのだった――彼は遂に、すべての内と外の現象が本質的には空性であり、究極的なリアリティの観点からすると、すべては平等に実体のないものであるということを理解したのである。


 後にパトゥルが、師ド・キェンツェー・イェーシェー・ドルジェに自分のその瞑想経験を報告すると、彼はパトゥルを祝福して、こう言った。


「ほほう、お前は一吹きで、四つの悪魔をすべて打ちのめしたってわけだな!」


 パトゥルはその夜から、思考が彷徨うことを止め、心の流れがもはや否定的な感情に乱されることはまったくなくなったと言っていた。



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