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2017年11月10日15:54

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神宮スズメの独り言 2017秋〜6〜3つのゲーム

いろんなものが凝縮された試合だった。1つの試合で3つの試合があったと言っていい。

数々の実績を誇る日大三高に対するのは日本航空石川。この夏の甲子園で木更津総合を相手に9回に大逆転をやってのけた最近めきめきと力をつけてきたチームだ。

石川の先発は背番号18の1年生重吉君。初回を三者凡退にとると、内角をずばっとつく強気の投球で三高を黙らせた。左打者のいっぱいに入る内のストレートを三高の打者は腰を引いて見送った。そして外角のボールには当てるのが精いっぱい。

三高の先発な背番号8の中村君、打っても5番を張る。その中村君に石川の先頭中西君が1塁後方にポトリと落ちる安打で出ると、中村君は1塁牽制悪送球で2塁を許してしまう。そして小坂君は2球目をライト前に・・・・

あっさりと石川は先制した。バントの気配はまったくなかった。

2回は満塁まで攻めたてて無得点だったが、3回には無死から2連打と犠牲フライで1点を追加して中村君をマウンドから降ろした。4回には途中でマウンドに上がった三高の林君から2塁打とタイムリーで1点を追加、その後四球と2塁打でさらに2点を追加。続いてマウンドにあがった井上君からもタイムリーを放ってこの回4点とした。

石川の重吉君は4回にセンターが追いついたかに見えた3塁打と中村君のバットを合わせて左に運んだタイムリーで1点を失ったが、5回を終わって被安打3の1失点という好投を見せていたい。

さて、ここからは別の試合が始まる。

5回の裏、石川の先頭打者はその好投を続ける重吉君。そこに代打が出たのだ。びっくりした。先頭打者だ。チャンスで回ってきたわけではない。石川の監督はもう勝てると踏んだのか、それともほかの投手にも経験を積ませようと思ったのかはわからないが・・・・

そしてそこから日大三の逆襲が始まる。いきなり3連打、そして押し出し。

5回からマウンドに上がった背番号1の杉本君は1死も取れずマウンドを降り大橋君にスイッチ。内野ゴロ2本の間に2点を失ったが無死満塁から3人を抑えた。

しかし、6−1は6−4になった。ここで三高が意気上がるのは当然。マウンドの井上君は3番から始まる石川打線を三者連続三振に切ってとったのだ。そして7回にも1点を返し1点差。

だが石川の大橋君も粘る。8回も無死1塁とされピンチになりかかったが送りバントをダ
イビングキャッチ、併殺にとり1点差のまま9回へ・・・

三高にまたしても先頭打者の出塁を許し送られて1死2塁。3番日置君は打ち取ったが4番の大塚君に初球を狙われてタイムリーを浴びた。同点・・・・

この大橋君は7回の1死満塁で三振に倒れているがそのジャッジは微妙だった。外のボールを見極め自信を持ってバットを置いて1塁へ行こうとしたがワンテンポ遅れた判定はストライク。

ボクにもボールに見えたけど・・・・

その次の打席で9回1点差、だからこそ彼は初球を狙ったのだろう。三高の底力だった。だが、まだ9回の裏が残っている。

三高の井上投手は力で押すタイプ、最初は圧倒されていた石川もだんだんとバットがあってくる。5回6回7回と三者凡退だったが8回にはヒットがでて、9回は1死から連打で1・2塁とした。サヨナラのチャンス。そして2死となったあと山岡君の当たりはライト前へ・・・・

9回だ、サヨナラだ、当然本塁を狙う。だが、完全にアウトのタイミング。交錯プレーになった。三高の捕手斉藤君のミットからはボールがこぼれていた。

審判は両手を大きく広げたが・・・・

そこに三高のベンチからスーツ姿の男性が審判の胸ぐらをつかまんばかりの勢いで駆け寄ってきた。斉藤君は倒れたままピクリとも動かない。

ラフプレーによる守備妨害。誰の目にもそう見えた。審判団が協議してセーフは一転して守備妨害のアウトと修正された。延長だ。

だが、場内は騒然としている。担架が運び込まれ斉藤君は救護室に向かった。

延長タイブレーク。打順を交換するための時間、グランド整備が行われ場内からは石川の選手に対する心無いヤジもとんだ。

そんな中で先攻の三高は無死1・2塁という場面からの攻撃、2番の木代君が送って2・3塁としたが3番日置君、4番大塚君はともに飛球と打ち上げ無得点に終わった。

その裏、後攻の石川は同じく無死1・2塁から3番の原田君を迎えた。打球はライト前に弾み満塁、ここで上田君が打席に入ったが三高井上君の投じたボールは負傷した斉藤君に代わって出場した捕手佐藤君の脇をワンバウンドですり抜けバックネット前まで転がった。3塁ランナーがホームを踏む。

最後はパスボールによるサヨナラ・・・・

ラフプレーによって負傷者を出すという後味の悪い試合だった。

試合終了後のあいさつのあと、三高の主将は石川の主将との握手を拒否した。しかし、石川の主将小板君と本塁に突っ込んだ上田君は自軍応援団前での整列には向かわずに三高のベンチ近くまで歩み寄って帽子を取って頭を下げたのだ。

もちろんラフプレーがいいはずはない。だが、悪意をもってやったわけではないのも事実だろう。変な遺恨が残らないことだけを祈りたい。

そして、前半と後半がまるで別の試合に見えるほどがらりと変わったこの試合。試合の流れなどという言葉はよく聞くが、それにしてもここまで変わるのも珍しい。まるでダブルヘッダーを見ているようだった。そして延長タイプレークが第3ラウンドだった。

だが、三高ははっきり言えばこの試合は完全に負けていたと言っていい。あまりに守備のミスが多すぎるのだ。牽制悪送球や進塁につながる捕逸は2度。空振りのボールを3塁側に少しそらし、普通なら間にある場面でもボールが手につかずに送球できないという場面もあった。3塁後方へポトリと落ちる打球はワンバウンドで頭を越され2塁打となった。

好投を続けていた石川の先発投手の早すぎる継投や井上投手、4番の大塚君などプライドを前面に出して延長までもっていったもののあまりにもミスが多く、三高らしくない。

当然、冬を超えて鍛えなおしてくるだろうが・・・・

対して日本航空石川、1点差に詰め寄られ5・6・7回のパーフェクトに抑えられていた8回、無死で走者を出しても送りバントはしなかった。

思い切って振る。最近主流となりつつあるこの手法をこのチームもガンガンやってくる。

重吉君という堂々とした1年生投手もいる。輝かしい実績という面では三高の足元にも及ばないが、それでも楽しみなチームだ。

絶対に鍛えなおしてくるであろう日大三高、まだまだ伸びしろありそうな日本航空石川、来年の春、甲子園での注目のチームである。


2017年11月10日 第48回明治神宮野球大会 高校の部 1回戦
日大三
000 103 101 0 = 6
101 400 000 1 = 7
日本航空石川

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