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2017年07月30日19:05

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アーティストトーク

2回目の奈良美智展。
『ユリイカ』『疾駆』を読んでから臨みました。

奈良美智
for better or worse
アーティストトーク
@豊田市民文化会館大ホール



定員1000人で受け付けたところ、信じられないくらいの応募があり、急遽2階席も解放してキャパ1700人に増やしたイベント。それでも私の周囲では落選続出。
さすがの人気です。
当選ハガキが届いたときは今年の運を全部使ってしまったように感じました。

さて。
流れは以前の東京国立近代美術館のときとほぼ同じです。

始まるまでは、カントリー風の音楽をBGMに奈良さんの撮った写真のスライドショー。

少々押して登場した奈良さん、ゼンソクだそうで、飴をなめながらで失礼します、とのこと。
それもあってかパソコンで音楽を流しながらのトークでした。

ご自身のルーツ、60年代の青森の映像。岩木山、雪、犬ソリや馬車。
アイスクリームの屋台、農繁期の保育園、スチューベンの葡萄、食用菊。
見覚えのある写真が続きます。
学校の下駄箱にきれいに並んだ長靴、「揃ってるのが好き」なのですね。

それはアフガニスタンでも同じ。
沢山のサンダルがきちんと揃えてあるのが好き。

奈良さんの写真には子供たちがたくさん登場します。
言葉は通じなくてもお人柄が伝わるのかしら。
落ちた飛行機や戦車や銃を背景にしても子供の笑顔は素敵です。

途中、パソコンがフリーズしてしまい、立ち上げ直したときに現れた壁紙は《マーシャル》でした。
これも整理する、という意味ではなかったかしら。



愛知時代、ケルン、西多摩、那須。
壁に貼られたモディリアニとパティスミスの絵はがき。

それぞれの時代のスタジオの画像も興味深い。
これは展示会場の最初にも一部再現されていましたね。

トークの終盤にはお待ちかね、作品制作の種明かしです。
《After the Acid Rain》
《No Means No》…
奈良さんは下書きをしないのかしら。
描きながら絵はどんどん変わっていきます。
完成した作品と最初が似ても似つかないもの多し。
もちろん途中もものすごく丁寧に描いていらっしゃるのにそれを惜しげなく潰していく。。。

途中の記録、
完成してから参考資料の記録を残されるところも
几帳面さが感じられます。


トークの後、もう一度会場を回りました。
《Daydreamer》の瞳を心ゆくまで観て。

最後の《Midnight Truth》で気づきました。
正面を向いた少女の胸像、視線が舟越桂の作品のようにやや開いているのです。
向かい合う者と決して視線が合うことはありません。
どこか遠くを見ているように感じるのはそのせいなのですね。

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2階の常設展示には、奈良さんのドイツ時代の恩師
A.R.ペンク《密林の理性あるもの》も出ています。
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