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2017年07月18日06:45

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北野恒富と中村佑介

最終日にみてきました。

北野恒富展
@あべのハルカス美術館
フォト



東京の鏑木清方、京都の上村松園は知っていてもなぜか知る人ぞ知る、だった画家の初回顧展。
金沢生まれですが17歳で来阪し、大阪の町で活躍しました。(1880明治13年〜1947昭和22年)


最初に展示されていたのは《道行》。
30歳で文展初入選、その3年後に描いた二曲屏風で、文楽『心中天網島』が題材。
右隻。着流しの背中を見せて立つ男は頭に手拭いを被り画面の外に視線を投げて。
その左肩にすがる女はだらりと落とした右手に数珠を持ちながら観るものに顔を向け、でもそれが哀れというより恐ろしいのは死の影を宿すせいでしょうか。端に消え入るような烏。
左隻には向かい合って羽ばたく二羽の烏。金屏風でありながら色彩が押さえられたドラマチックな作品です。
これをみただけで来た価値があったと思いました。
ちなみにこの作品は題材ゆえに落選し、以後恒富は院展に出品するようになります。


恒富の題材は
・花街の女たち
・歴史物
・モダンな女性像
と移っていきました。

大正時代に描かれた《淀君》は歴史物の名作。
象徴主義的な作品です。


今回のメインビジュアルは《星(夕空)》
着物の花火がモダンですね。
木戸孝允夫人・松子を描いた《幾松》も大変人気のある作品、こちらはアザミ柄の着物に竹垣の帯。

だいたい恒富の描く女性像は人物はもちろん着物も美しく、
なればこそ沢山のポスターとなりました。
高島屋、菊正宗、クラブ歯磨、桜ビール…
貼られるやあっという間に持ち去られたもの、
7万枚と当時としては驚くような枚数が刷られたものもあります。
その実物と原画を多数見ることができました。

挿し絵画家としても人気があり、佐藤紅緑や谷崎潤一郎の新聞小説挿し絵を手掛けました。
それら新聞の切り抜きも出ていましたし
横山大観、安田靫彦、川端龍子、谷崎潤一郎らと交わされた書簡なども興味深く。



7月17日にて終了。


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出口にあったポップアップストア、
24階のこちらはまだまだ開催中!
フォト



中村佑介展
@あべのハルカス24階
大阪芸術大学スカイキャンパス


さだまさし《天晴》のCDジャケットで知ったイラストレーター。
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『夜は短し歩けよ乙女』の日めくりとかも売ってました。
時間があるときに再訪予定。

9月18日まで。
http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/kh/ny15/

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