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2017年07月15日21:13

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奈良美智

黒猫の着ぐるみを着て右肩越しにこちらを睨む
東京国立近代美術館の《Harmless Kitty》(1994)

奈良美智の描く人物は「不機嫌そうな女の子」というイメージでしたが
それが見事に覆されて呆然としています。



奈良美智
for better or worse
@豊田市美術館

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もちろん前掲の作品も出ていますが




今回は作家本人が「2度とできない」というほど
世界中から作品が集結して30年にわたる画業を辿ります。



その数100点
うち「個人蔵」30点

これには持ち主が記載されているものを含みませんので、実際はもっと私的に所蔵されているものがあるということ。
それが豊田市美の1階から3階まで12室にわたって展示されています。


会場に入ると
まずは長机と棚に奈良美智コレクションというか、
子供のときからの読んだ本や集めた雑貨がところ狭しと並び
向かいの壁には中学時代からの「レコード」コレクション324枚がいっぱいに並んでいました。

そして、愛知県立芸大を卒業しドイツに留学する前に描いた最後の絵も。

第3室には奈良模様?の絨毯でできた正方形のベンチがあります。
これに座って《Harmless Kitty》や
赤いツナギに高下駄、釣竿を垂れる国立国際美術館の《長い長い長い夜》(1995)を鑑賞することができます。



第4室は圧巻です。
倉庫のような表面の四方壁にずらりと並んだ無数のドローイング、
タイトルの手書き文字はまさかご本人でしょうか!?

箱をそのまま切り開いたような形の段ボールに描かれた作品もあります。

そして中央に白木で作られた小部屋があり
たった1点だけ展示された作品に息をのみました。


《Daydreamer》(2003)

1.5mほどの高さのある少女の1/3身像です。
その眼に吸い寄せられました。
ひとみを縁取る微細な真珠の輝き。文字通り虹色の虹彩にひかれた線。





立体もあります。

第5室《ハートに火をつけて》

2階には、
金沢21世紀美術館からやって来た《Voyage of the Moon》
月をいただく家型の作品、整理券をもらって中に入れます。

3階の《Fountain of Life》はティーカップに積み重なった白い子羊が涙を流している噴水。
壁が水色の展示室で爽やか!でした。

最後の2室にもまっすぐにこちらをみる少女像がたくさん、
各々の眼の色を堪能しました。

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実際のテクスチャーを見ないと、むかしの私のように
「漫画みたい」という感想もあるかもしれません。

しかし、かつて世界的なレベルで認められた日本美術が浮世絵であったように

近年日本の「漫画」こそアートとして世界から注目されているのですし。



ショップは長蛇の列。
トートバッグ、Tシャツ。
ポストカード、ドローイング帳、缶バッジにマグネット。

図録は9月発行とのこと、どの範囲の作品が掲載されるのかわかりませんが
とりあえず予約してきました。



9月24日まで。
巡回はありません。
http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2017/special/okazaki.html

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