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2017年07月08日09:37
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ジャコメッティ
保坂健二朗さんによるジャコメッティ展へのコメント、お写真の背景が 国立近代美術館所蔵のセザンヌ《大きな花束》であることの意味を理解しました。
http://
ジャコメッティ
@国立新美術館
ジャコメッティ（1901〜1966）といえばギリギリまで削ぎ落とされたようなゴツゴツした人物彫刻。
しかしもちろんそれだけではありません。
本展も会場入るとすぐに《レオニー》があります。 ジャコメッティ・スタイルの典型ともいうべき作品。
ジャコメッティはスイスのイタリア語圏の小村の名家に生まれました。
画家であった父のアトリエで幼いころから絵をかき彫刻をつくっていたといいます。
フランス語とドイツ語を学んだ中高を１年はやく退学すると ジュネーブの美術学校に入ります。
しかしそこもすぐにやめると工芸学校で彫刻を学びました。
ローマ、フィレンツェ、ナポリなどを旅してエジプト彫刻やキリスト教芸術を 模写、
古典的下地を形成したのちに1922年パリへ。
アカデミー・グランド・ショミエールのブールデル教室に学びます。
展覧会はほぼ時系列に従って展示しています。
ほとんどの出処は、ジャコメッティの３大コレクションのひとつである
マーグ・コレクション。
16歳でつくったブロンズ《シモン・ベラールの頭部》のリアリズム的
完成度に驚かされました。
しかし次第に時代の影響が顕著になっていきます。
クリスタルをくみたてていく《キュビズム的コンポジションー男》
民族芸術の表現が加わった《女＝スプーン》
大阪新美術館建設準備室の《鼻》
弟のディエゴとパリに居を構えたのもこのころ。
このイポリット・マンドロン通り46番地の小さなアトリエを終生使うことになります。
うれしかったのは、エルンスト・シャイデッガーによる記録写真が
6枚の大きなパネルで天井に届くまで展示されていたこと。
制作中のジャコメッティの半身像
モデルのいる制作風景
街のカフェでくつろぐ姿
アトリエにあるスプーンウーマン
アトリエの机いっぱいに並ぶ作品
メガネをかけて粘土を削る姿。
手元
てのひらほどの長さのヘラ
じっと見入ってしまいました。
続く「小像」のコーナーでは単眼鏡が大活躍。
なにしろ、３〜１０ｃｍほどのブロンズですから。
モデルと作品の大きさの問題は終生こだわったところ。
私とモデルの間にある距離はたえず増大する傾向をもっている
「もの」に近づけば近づくほど「もの」が遠ざかる
（展示室の壁に掲げられたジャコメッティの言葉から）
１メートルほど、という作品の大きさを自らに課してからは
モデルを使った制作にもどり、
いよいよジャコメッティ・スタイルの確立です。
モデルのまなざしの内に現れる全体像をとらえようとすることで
そぎ落とされたボリュームと細かく波立つような表面をもった彫刻となりました。
さらにそれを組み合わせた群像もつくられます。
《女性立像》
《森、広場、７人の人物とひとつの頭部》
有名な《ヴェネツィアの女》9体が並ぶコーナーは圧巻でした。
5か月をかけて作られた15の石膏、そのうち9体がブロンズとなり
ヴェネツィアビエンナーレと個展に出品されました。
ひとつひとつ違っていつまでも見飽きません。
個人的にはやさしげな《�次佞�よかったかな。
撮影できるコーナーもありました。
チェースマンハッタン銀行のプロジェクト。
大きくてカメラにはいりきれません。
さて、今回の展覧会では40点余りの彫刻とともに
70点以上の版画・素描その他絵画作品が出ています。
そしてこれがまたいいのです。
素描の線はジャコメッティの手がひいた線かと思うと。
それは彼の視線のとおりみちだと思うと。
最後に個人蔵としてすこしだけ出ていた
《終わりなきパリ》
2年前の駒場博物館の展覧会を思い出します。。。
【展覧会構成】
１．初期、キュビスム、シュルレアリスム
２．小像
３．女性立像
４．群像
５．書物のための下絵
６．モデルを前にした制作
７．マーグ家との交流
８．矢内原伊作
９．パリの街とアトリエ
１０．犬と猫
１１．スタンパ
１２．静物
１３．ヴェネツィアの女
１４. チェース・マンハッタン銀行のプロジェクト
１５．ジャコメッティと同時代の詩人たち
１６．終わりなきパリ
矢内原伊作のお弟子さん・武田昭彦氏の講演会では
貴重な写真、そしてジャコメッティ作品で頭が小さいことの
お話が興味深いものでした。
そして「ヤナイハラ・クライシス」はその逆もいわれているということも。
9月4日まで。
10月14日から豊田市美術館に巡回。
http://
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ジャコメッティ
@国立新美術館
ジャコメッティ（1901〜1966）といえばギリギリまで削ぎ落とされたようなゴツゴツした人物彫刻。
しかしもちろんそれだけではありません。
本展も会場入るとすぐに《レオニー》があります。 ジャコメッティ・スタイルの典型ともいうべき作品。
ジャコメッティはスイスのイタリア語圏の小村の名家に生まれました。
画家であった父のアトリエで幼いころから絵をかき彫刻をつくっていたといいます。
フランス語とドイツ語を学んだ中高を１年はやく退学すると ジュネーブの美術学校に入ります。
しかしそこもすぐにやめると工芸学校で彫刻を学びました。
ローマ、フィレンツェ、ナポリなどを旅してエジプト彫刻やキリスト教芸術を 模写、
古典的下地を形成したのちに1922年パリへ。
アカデミー・グランド・ショミエールのブールデル教室に学びます。
展覧会はほぼ時系列に従って展示しています。
ほとんどの出処は、ジャコメッティの３大コレクションのひとつである
マーグ・コレクション。
16歳でつくったブロンズ《シモン・ベラールの頭部》のリアリズム的
完成度に驚かされました。
しかし次第に時代の影響が顕著になっていきます。
クリスタルをくみたてていく《キュビズム的コンポジションー男》
民族芸術の表現が加わった《女＝スプーン》
大阪新美術館建設準備室の《鼻》
弟のディエゴとパリに居を構えたのもこのころ。
このイポリット・マンドロン通り46番地の小さなアトリエを終生使うことになります。
うれしかったのは、エルンスト・シャイデッガーによる記録写真が
6枚の大きなパネルで天井に届くまで展示されていたこと。
制作中のジャコメッティの半身像
モデルのいる制作風景
街のカフェでくつろぐ姿
アトリエにあるスプーンウーマン
アトリエの机いっぱいに並ぶ作品
メガネをかけて粘土を削る姿。
手元
てのひらほどの長さのヘラ
じっと見入ってしまいました。
続く「小像」のコーナーでは単眼鏡が大活躍。
なにしろ、３〜１０ｃｍほどのブロンズですから。
モデルと作品の大きさの問題は終生こだわったところ。
私とモデルの間にある距離はたえず増大する傾向をもっている
「もの」に近づけば近づくほど「もの」が遠ざかる
（展示室の壁に掲げられたジャコメッティの言葉から）
１メートルほど、という作品の大きさを自らに課してからは
モデルを使った制作にもどり、
いよいよジャコメッティ・スタイルの確立です。
モデルのまなざしの内に現れる全体像をとらえようとすることで
そぎ落とされたボリュームと細かく波立つような表面をもった彫刻となりました。
さらにそれを組み合わせた群像もつくられます。
《女性立像》
《森、広場、７人の人物とひとつの頭部》
有名な《ヴェネツィアの女》9体が並ぶコーナーは圧巻でした。
5か月をかけて作られた15の石膏、そのうち9体がブロンズとなり
ヴェネツィアビエンナーレと個展に出品されました。
ひとつひとつ違っていつまでも見飽きません。
個人的にはやさしげな《�次佞�よかったかな。
撮影できるコーナーもありました。
チェースマンハッタン銀行のプロジェクト。
大きくてカメラにはいりきれません。
さて、今回の展覧会では40点余りの彫刻とともに
70点以上の版画・素描その他絵画作品が出ています。
そしてこれがまたいいのです。
素描の線はジャコメッティの手がひいた線かと思うと。
それは彼の視線のとおりみちだと思うと。
最後に個人蔵としてすこしだけ出ていた
《終わりなきパリ》
2年前の駒場博物館の展覧会を思い出します。。。
【展覧会構成】
１．初期、キュビスム、シュルレアリスム
２．小像
３．女性立像
４．群像
５．書物のための下絵
６．モデルを前にした制作
７．マーグ家との交流
８．矢内原伊作
９．パリの街とアトリエ
１０．犬と猫
１１．スタンパ
１２．静物
１３．ヴェネツィアの女
１４. チェース・マンハッタン銀行のプロジェクト
１５．ジャコメッティと同時代の詩人たち
１６．終わりなきパリ
矢内原伊作のお弟子さん・武田昭彦氏の講演会では
貴重な写真、そしてジャコメッティ作品で頭が小さいことの
お話が興味深いものでした。
そして「ヤナイハラ・クライシス」はその逆もいわれているということも。
9月4日まで。
10月14日から豊田市美術館に巡回。
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