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2016年12月19日09:30

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第九の梯子

12月18日(日)はベートーヴェン第九の梯子。
14時からフランチェスコ・イヴァン・チャンパ指揮新日本フィル、栗友会合唱団、(中村恵理Sp、手嶋眞佐子Ms、吉田浩之Tr、岡明宏Br)@すみだトリフォニーホール。
19時からアヌ・タリ指揮東京フィル、東京オペラシンガーズ、(小川里美Sp、向野由美子Ms、宮里直樹Tr、上江隼人Br)@サントリーホール。

新日本フィルはSony Music Foundation主催。小中高生のためのコンサートで、チャリティ(東日本大震災復興プロジェクト)。子供たちも大勢来ていたが、静かに聴いていて、終わったら一生懸命拍手していた。朝岡聡がナビゲーターで、第九の初演やベートーヴェンについて話し、チャンパが新日本フィルを指揮して各楽章のさわりを紹介。子供たちだけでなく、大人も納得する内容だった。
チャンパはイタリアではオペラ指揮者として活躍しており、第九も旋律線を重視、歌うようにすすめていく。合唱やソリストが入るとオペラのような表現になるのが興味深い。

一方のアヌ・タリはエストニア出身の女性指揮者。写真のような金髪の美女だが、小柄でポニーテールの髪形がかわいらしい。しかし、音楽はダイナミック、筋肉質で引き締まっている。速めのテンポで、フレーズは短く、緊張感を保ちながらすすめていく。東京フィルも各奏者が思い切った積極的な演奏ぶり。中ではホルンが素晴らしい。合唱は東京フィルと共演した東京オペラシンガーズが圧倒的だった。
 アヌ・タリは合唱のvor Gott を短く切る。指揮者によっては思い切り伸ばすところだが、スパッと断ち切る。また合唱の二重フーガの後半を思い切ってリタルダンドさせ、テンポを落とすなど、随所にこだわりのある指揮を展開。プレスティシモのコーダも壮大にまとめ上げた。
 一見おとなしい指揮と、実際に生まれるダイナミックな音楽の落差に驚きつつ、彼女の確かな指揮の手腕に脱帽するほかなかった。

写真:チャンパ(c)新日本フィルハーモニー交響楽団
   アヌ・タリ(c)東京フィルハーモニー交響楽団

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