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2016年09月11日06:48

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与謝蕪村

たった15点の特別展示です。
でも質のよい作品をじっくりみるのもよいもの。


特集陳列 生誕300年
与謝蕪村
@京都国立博物館

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土曜講座ではそのなかの一点、山水図でなく排画の《奥の細道図巻》がテーマでした。

描かれた『奥の細道』
芳賀徹(静岡県立美術館長・東大名誉教授)

生涯についてはよくわかっていない蕪村ですが
伊藤若冲とは同年であり、当時の京都は円山応挙に池大雅、曾我蕭白、長沢芦雪と個性的な多くの才能が花開いた時代でした。
芳賀先生はそれをパックス徳川とよばれました。
そしてパックスロマーナ、パックスブリタニカに比して250年という長さは突出しており、その長い平和の時代に文化が熟成し庶民のレベルも高かったと。
確かに『奥の細道』においても芭蕉が逗留した先でうたの指導を乞われたりしています。

蕪村は芭蕉を敬愛し、一乗寺の芭蕉庵再興につとめたほか、平和な時代の緩んだ俳句を強くしようとしていました。
芭蕉の句が優れていることは今更いうまでもなく、芳賀先生によれば世界十大詩人に入るほどの前衛でした。
それに対して蕪村は自分の内面を見つめるロマン派であるそうで。
絵巻の一つ一つの場面を解説しながらのお話は予定の90分を遥かに越えて続き、
小杉放庵や小野竹喬との比較は駆け足になりました。

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(小野竹喬『奥の細道句抄絵』より左上から時計回りに
・田一枚植ゑて立ち去る柳かな
・まゆはきを俤にして紅子の花
・暑き日を海に入れたり最上川
・あかあかと日は難面もあきの風)


10月2日まで。
http://www.kyohaku.go.jp/jp/project/2016_buson.html



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残念ながら常設に崇福寺舎利容器は出ていませんでした。

三十三間堂も白日のもとでは杉本博司の写真《sea of buddha》の世界には遠く。
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