こんなことが起こってしまったパリを
映画でみるのはどうかと思いましたが。
静かで美しかった。
FOUJITA
〜パリが愛した日本人
あなたはフジタを知っていますか?〜
藤田嗣治といえばドラマチックな人生を生きたアーティストであり
エピソードには事欠きません。
しかしこれは彼の伝記映画ではありません。
必ずしも時系列に沿わず、断片的な「あるとき」の連続でした。
そしてそのどのシーンも絵のように美しい。
アトリエ。
猫を抱いて覗きこむ自画像。
街。
どんちゃん騒ぎ。
光と影。
クリュニー中世美術館の《貴婦人と一角獣》
の前に佇むフジタ。
「フランス編」ともいえる前半で一番印象的なのは
「フジタ・ナイト」でしょうか。
仲間たちと繰り出したキキの花魁道中は
正しい日本文化の伝達とは言えないけれど
絢爛豪華なパリの日々を象徴するに相応しい。
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スクリーンに不意に海辺が映りました。
それが一瞬で日本だとわかるのは不思議です。
空気感が違うのでしょうか。
後半の「日本編」はさらに幻想的になっていきます。
日本に帰国したフジタは戦争画を描き、陸軍美術協会の重鎮となりましたが
この映画ではそれよりも、疎開先の田園風景など
自然の描写が多い。
ひかる段々畑
不意に襲うつむじ風
狐
実際には戦後、フジタは戦争責任を問われて
追われるように日本をあとにするのですが
その詳しい経緯も描かれません。
その代わりというか
エンディングで、
遺作となったランスのシャペル・フジタが
たっぷり紹介されます。
パリから一時間ほど、シャンパンのマム社敷地内、か。
また行きたいところが増えちゃったな。
監督 : 小栗康平
主演 : オダギリジョー
大阪ではシネ・リーブル梅田で上映中。
終映日は未定です。
http://foujita.info/
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