パッション

不安定な旋律にゆらゆらとこちらの心も揺れながら
最後への展開は滝から落ちるよう。


ミュージカル パッション
@兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール




兵庫は追加公演もあって三日間で５公演。
さすがの人気です。
会場ホワイエでは舞台装置の模型が展示されて
いました。
ベッドに階段。城を思わせる柱。数枚のスクリーン。
シンプルですね。


ミュージカル、といってもストレートプレイに近い
ような印象を受けました。

主人公である青年将校ジョルジオは
美しい人妻クララとの恋に夢中になりながら
転属先で出会った醜く病弱な女性フォスカの
執拗なまでの恋着に戸惑います。
最初は同情を寄せ、そしてストーカーめいた行動には
嫌悪しか感じませんでしたが。

井上芳雄さんの揺れ動くジョルジオには共感
できました。
演技もいいお方なのですねぇ、と今更ながら。

夫と子供のいる今の生活を捨てられない、とクララに
告げられたジョルジオ。
クララにとって自分は何だったのか。

一方フォスカは、財産目当ての男に利用されて
捨てられた過去をもちます。
皆はドラム、私たちはメロディ、と歌うフォスカの
感じ取ったものには根拠がないわけではないような
気がしました。

シルビア・グラブさん、凄いです。

そして大好きな和音美桜さんの素晴らしい歌を
た〜っぷり聴かせていただきました。




【スタッフ】
作詞作曲:スティーブン・ソンドハイム
台本:ジェームズ・ラパイン
翻訳:浦辺千鶴
訳詩:竜真知子
音楽監督:島健
演出:宮田慶子

【キャスト】
井上芳雄
和音美桜
シルビア・グラブ
福井貴一

佐山陽規/藤浦功一/KENTARO/
原慎一郎/中村美貴/内藤大希/
伊藤達人/鈴木結加里/東山竜彦/
吉永秀平/一倉千夏/谷本充弘/
白石拓也/小南竜平/岩橋大/
荒田至法