今日は珍しく終日雨だった。晴れていると室内にいて落ち着かない気分になるのだが、こんな日は読書に浸れる。床に座りこんで長編を読み始めた。親しい関係、というわけでもないのに、どうして文豪が私のような者に一冊も欠かさず献本してくれるのか。その答えをもはや訊くことさえできないくらい、長い時間が経ってしまった。私ができることは、本棚のとびっきりいい場所に彼女のコーナーを設け、それを自分が死ぬまで保存しておくこと。これくらいしか自分にはできない。もし献本が途絶えたら自費で買い続ける。
社員編集者時代と較べ、読みが深くなった。作家の力量や方向性を推し量る読み方は相対的である、という意味で、作家に対して失礼なことだ。いまはもうそんな必要性などつゆないため、ただただ味読する愉しみになった。
夕方近くまで彼女の本を読んだり、飽きたらラズリと散歩したり遊んだ。
今日はTSUTAYA湘南T-Siteで開催される竹沢うるまのトークイベントに行く予定になっていた。イベント企画者は私の友人である旅行作家だ。が、直前になって彼はやむにやまれぬ事情からイベントに行けなくなった。
それでも行く意志に変わりはなかった。約束は守る。逆に守れない約束はしない、というのが自分の主義だ。小さな頃、両親から「おまえはすぐにウソをつく」とたびたび叱られた。それがトリガーとなったのか、ある時期からウソをつくことはよくないことだと受け取ることができ、さらに約束は守るというような派生的な規範がいくつか生まれた。いくぶん頑なに過ぎると思うし、卑小な気もする。
1時間40分に及ぶトークは、最初から最後まで楽しい内容だった。
著書『The Songlines』の帯に書かれたコピーは「旅行記の系譜に新時代を告げる渾身の処女作!」とある。友人の旅行作家が「まるで平成の沢木耕太郎を彷彿させるところがあった」と竹沢を評した。
1021日、103カ国を旅した写真家。
その日数は訪問国数なんてどうでもいいことだ。何を見て何を感じたのか。どれほどの苦労や失敗があったのか、そして旅の途上で、どんな自己発見があったのか。
そのことを丁寧に綴ったのが『The Songlines』だ。
あと2分で今日が終わって明日になる。これで日記を終え、寝る準備に入ろう(^o^)。
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