mixiユーザー(id:21651068)

2015年05月10日22:28

213 view

石田尚志

音楽が絵になったらどんなでしょうか?
その1つの答がここに。

フォト




石田尚志 渦巻く光
@横浜美術館

2013年に大阪の堂島ビエンナーレ『Little Water』で
《海の壁》を見たときの衝撃は忘れられません。

その石田尚志さんの個展とあれば!
で行って参りました。



構成は
第1章 絵巻
第2章 音楽
第3章 身体
第4章 部屋と窓



会場にはいると足元に長く伸びる道のように十数mのリズミカルな抽象柄の絵巻が続き
そのさき頭上に映像スクリーンが掲げられています。
つまり絵巻をカメラを動かして撮影し、アニメーション化したもの。

或いは一筆ひとふで描き加えながら膨大な数のコピーを撮り、
それを繋げたドローイングアニメーション。

最初はサイレントだった作品、次第にサウンドが加わり始めます。

矩形と有機的な曲線の反復交替でリズムと抑揚を表現した
《フーガの技法》
そうです。バッハです。

バッハのコラール前奏曲や
クラヴィーア平均律第一番
ショスターコヴィッチの交響曲、と
それはどんどん発展していきます。


同時に映像を映す場も、スクリーンから
窓のある白い部屋となり
外光とあいまって複雑になっていきます。

《海の壁》はそんな時代の作品。

その後映像にご自身が登場したり
砂や道路に「水絵」を描く映像等を経て。



今回は《燃える椅子》(2013)が心に残りました。
フォト


こんな作品。

コンクリート打ちっぱなしの壁の角に向かってカメラは固定されています。
使い古された木の丸椅子がひとつ。
右の壁高く窓。
青い光がさし時が流れます。
椅子が床に落とすかげが伸びる。
影が映る壁に白いチョークで植物のように
有機的な線が広がってゆきます。
床にも椅子の下からチョークの線が絡み付くように広がります。
ふと離れてもうひとつ椅子の黒い影が。椅子はひとつなのに。
不意に白い炎に包まれて燃え上がる椅子の影。
それが消えてほっとする間もなく
今度は赤い炎に燃える椅子本体。
からからと崩れ落ちそうになり
しかし窓から光が射すと、椅子は黒い影をおとしてそこにあります。
まるで夢から覚めたときのよう。




《海の壁》のクリアファイルを買いました。
実物の作品はスピーディーでスリリングです。
フォト



5月31日まで。
巡回は沖縄のみです。
http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20150328-368.html


*****************

常設展示も駆け足で見てきました。

テーマは現代美術を中心とした身体表現。

静岡まで見に行けなかった斎藤義重や
京都のパラソフィアで見たばかりの高品格があって嬉しかった。

あ、森村泰正はフリーダ・カーロになっていました。
中米と欧州の交差するフリーダにアジア人で男性の森村さんが絡むと
さらに複雑になりますね。
6 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する