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2015年04月27日21:53

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「フォーク」と「ロック」の邂逅から50年――他者との遭遇の豊饒

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ロジャー・マッギンの七月の来日公演のチケットをゲット。今年は断腸の思いでポールを見送ったけど、その代わり、ロジャーの12弦ギターをじかに聴いた年として私的歴史年表に長く記録されることになる。

考えてみれば、ロジャーがバーズを率いて「ミスター・タンブリンマン」でデビューしたのは1965年のことだから、今年はちょうどロジャーにとってデビュー50周年になる。そんな記念すべき年に、ロックの歴史を変えた伝説的な12弦ギターを聴くことができるというのは贅沢な体験である。

思うに、バーズの「ミスター・タンブリンマン」こそ、最初のサイケデリック・ソングではないだろうか。あの誘惑的な12弦ギターの響きに導かれて、「フォーク」と「ロック」という異質な二つの世界が衝突し合い、50年前、それまで誰も見たことのなかった全く新しい風景がこの世界に開示された。

「二つの異なる世界」の衝突が全く新しい風景を開示するというのは、以後、60年代ロックの基本コンセプトになった。クリームによる「ブルース」と「ロック」の衝突、ソフトマシーンによる「ジャズ」と「ロック」の衝突、グラム・パーソンズによる「カントリー」と「ロック」の衝突、フーにおける「オペラ」と「ロック」の衝突、ブライアン・ジョーンズによる「インド音楽」と「ロック」の衝突、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」における「オーケストラ」と「ロック」の衝突……。「異なる二つの世界」の衝突、言い換えれば、「他者との遭遇」がどれだけ豊饒な結果を生むか、それを60年代後半のロックほど分かりやすく感動的に提示している事例もなかなかないのではないだろうか。

そんな「他者との遭遇」の豊饒を音楽の形で先駆的に提示してくれたロジャーが、7月2日、今度はどんな「風景」を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。










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