mixiユーザー(id:6486105)

2015年02月17日21:07

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金沢と言えば…

 予想どおり、めちゃ寒いようだ。朝、目が覚めていつも通りに電気敷毛布をオフにした。で、二度寝していたら、寒さのせいかだんだん丸くなって寝てしまった。ラズリの寝姿みたいだ。
 昼になったら朝よりも寒さが増してきたようで、ストーブの前から離れられない。文字通りの「積ん読」状態になっている本の固まりの中から、花村萬月のハードカバー『浄夜』を選んで読み始めた。先月、横浜駅のブックオフで208円の棚で見つけた本だ。
 萬月の小説は相変わらず趣味じゃないのだが、装幀の良さに惹かれた。カバーと帯の用紙は文字好きには申し分のない質感だし、デザイン全体に行き渡るタイポグラフィが平成の「杉浦康平」版のようで秀逸だし、帯の文言が適度にブンガクしていて(一般的には一目見て理解出来るコピーが鉄則なのだが)、わかりにくさがかっこよさに繋がっている。いまは文庫になっていて単行本は絶版らしい。
 あ、萬月の話だったが、アマゾンのカスタマーレビューで5人が5人とも五つ星をつけていた、というくらいに内容も文章も満足させる出来映えだった、と端折っておこ。いま、知人と書評のHPを立ち上げられないか、と立案中なのだが、すり合わせの見本原稿にする本をこの『浄夜』にしようかと、途中から思った。
 夕刊の一面はほぼ全部が北陸新幹線ネタ。金沢駅前が昨年の地価上昇率で全国トップとなり、開業を控えて金沢駅周辺が盛り上がっている、という週刊誌のような内容だ。

 特に注目されたのが、かつて田畑が広がり「駅裏」と呼ばれた西口周辺。昨年11月、駅前広場につながる並木道との交差点に、地元の北国銀行がビルを新築して……(後略)。

 というくだりで、40年前の「金沢事件」を思い出した。
 高校の友人が金沢にいて、私が夏休みで西宮に帰郷していると報せたら、「それなら金沢まで3時間もあれば来られるのだから、立ち寄れや」と電話がかかってきた。交通費が余計にかかると言うと、「ただで特急に乗れる」と言って、その方法を伝授する。
 1 大阪駅から特急「雷鳥」に乗る。
 2 京都あたりから検札が来るので、食堂車へ移る。
 3 そこで珈琲を飲んで、列車が金沢駅に到着するまで粘る。
 4 金沢駅に着いたら、ホームの端まで行き、線路に降りる。
 5 田舎っぽい側を目指してフェンスを飛び越える。
 半信半疑ながら、彼の方法を試したら、まんまと成功したのだが、2時間あまりを食堂車で過ごす、というのは、誰から見ても怪しいことくらい馬鹿な私でもわかる。が、友人の言う通り(国鉄職員のご厚意によって)検札されることはなかった。金沢駅でも改札口とは逆方向へと進んで、さらに線路内に降りてフェンスを飛び越えても、追いかける職員はいなかった。
 が、しかし、大阪駅から金沢駅の「駅裏」まで、生きた心地がしなかった。これくらい神経を消耗するのなら、正規運賃を払うほうがましだと思えるくらい、精神的に疲れた。たぶん当時ツイッターがあったとしても、ドキドキ感が半端じゃなかったので、「ただいま金沢目指してキセル中どぇーす(/_・)/」というようなつぶやきも出来なかったと思うよ。
 高校時代も金沢を訪ね、ユースホステルに連泊したことがあって、金沢はそれくらい好きな街なのだが、金沢キセル事件以来、一度も訪ねることがなかったのだった(笑)。

 
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