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2014年02月03日01:25

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1929年の未来小説

楽しみで足をバタバタさせてます。今日の昼に移動するので、もう一本書いておきます。
・時の塔 作:レイ・カミングス
よほどのSFファンでも、この名は知らないだろう。私も本書が初読みで、初めて存在を認識した。本書はデビュー十年目1929年の作だ。年代的にはバロウズとスミスの中間に位置する黎明期の作家と言えるか。多作家で、様々な冒険的SF小説を書いていたらしい。今では忘れられた存在のようだ。まあ金字塔のように名を輝かせる作家よりは、忘却の川に飲まれる人のほうが圧倒的に多いわけで、たまには良いか。

本作の舞台は、未來としての1962年だ。テレビジョンの実験をしていた男が、奇怪な塔を発見する。言っておくが、テレビはSFガジェットなのだ。どうりでカメラマンもいない場所が映るはずだ(笑)。で、71世紀から来た美女と出会って悪辣な精神科医(大笑)と戦う。戦闘の舞台は2445年という中途半端な未来だ。その時代はあまりに平和なため、武器が忘れられている。アメリカにこんな時代が来るわけないと思うが、そこの警察官は棍棒やパチンコしか持っていない。で、悪の医者が各時代から連れてきた野蛮人(原始人や植民地時代のイギリス兵)と殴り合う。

ハガードの出来の悪いコピーみたいな珍作である。初めて白人美女を見た17世紀のインディアンが、「彼女を女神だと信じた。無理もない」。いや、無理あるぞ。ふつう「何だコイツ、気持ち悪っ」と考えると思うが。
一人称で始まるのに、途中で相棒視点の三人称に変わったりする。もうなんというか、全然読む必要のないSFだった。歴史的文化資料としては、まるで無価値でもないかな。★★
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