瑠璃色の液体にただ揺られてる私たちのめまいのような空 #短歌
湯気のなかスプーンひとつ眠ってる 答えはいつも少しぬるくて #短歌
ラムネ色ひろがる空を吸い込めば胸の中まで朝になってく #短歌
知らない誰かの書いた小説の結末のように駅へと急ぐ #短歌
別の誰かの物語の続きを生きているような気がする青い朝 #短歌
瞼の裏に残る景色をしまい込むみたいに窓を大きく開ける #短歌
トーストを焦がした音で現実に戻るひんやりとした台所 #短歌
許さない代わりに焼き上げたお菓子切り分けるナイフの冷たさ #短歌
呪いの代わりにこんなにおいしいケーキを焼いた僕を褒めてよ #短歌
バターの香りが消えていく台所でいつかの言葉をひとつ飲み込む #短歌
何度でも生まれ変われる気がしてははしゃいだあとの冷たいジュース #短歌
車窓から滴り落ちていく街の灯にひとつ残らず飲み干す夜だ #短歌
ぐるぐるとめぐる景色の中でだけ永遠を信じている子供たち #短歌
ぐるぐると園内のスピーカーから流れてくる終わりの歌を聴く #短歌
パレードの熱狂のあと一人乗る最終電車の静けさの中 #短歌
数えるほどには傷ついたはずなのにまだ足りないような気がして #短歌
指のあいだをすり抜けていく記憶だけをただじっと見つめている朝 #短歌
屋根の上投げ損ねた歯がそのままに夜空で小さな星になってく #短歌
隠しきれないひみつの色に染まりゆく 足もとだけを見つめて歩く #短歌
言えないことなんて本当はないのに自販機の青のせいにしてみる #短歌
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