というわけで内臓が丸見えになっておりますので本日はお休みします #短歌
白よりも少し寂しい花びらにどっちの好きが重いか測る #短歌
ゆらゆらでどちらへ倒れてもいいように二人で風を抱きしめている #短歌
窓辺の風に言葉は溶けて私の名前だけが静かに残る #短歌
泣くための理由がいちど溶け出して花びらになる雨の匂いは #短歌
花を挿すなんて無理だよ 左心室にスマホの充電を挿すだけ #短歌
あるいは神様がつくった秘密の穴から僕らは空をのぞこう #短歌
吊り革を握る指先揺れながら死の話さえ今日のランチに #短歌
死者のことばかり語るきみ その舌は生の残像みたいに赤い #短歌
電車ゆくたびに近づく終わりの日あなたの舌に季節が死んで #短歌
あどけなき瞳の奥にひかるのは昨日の雷鳴 それとも明日 #短歌
二度と戻らない場所へ落ちてゆく夜の匂いのする雷鳴だった #短歌
どんな願いも君に届くように新しい朝を迎えにいこう #短歌
切り落とされた爪の三日月集めては僕の輪郭たしかめている #短歌
痛いって痛いってばと言いながら切られる
ままの指の先っちょ #短歌
光る鱗が窓辺をかすめて海のない街に雨が振りだす #短歌
探偵とピアノ職人の朝だけがこの街の比喩を成立させる #短歌
銀色の水面みたいなスプーンにちいさな朝が泳ぎはじめる #短歌
ああそんなふうに祈っちゃだめだよ あの世への入口が沈んでしまう #短歌
たかだかで手を挙げることのできないまま地上へ溶けてゆくのを見ていた #短歌
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