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2026年08月12日10:17

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8/3・11 まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険@ヒカリエホール

友人の友人がキュレーションしている展覧会だと聞いた。見たい。
駅前大開発がはじまって以来渋谷駅はずっと避けてきたターミナルだが意を決して行ってみる。井の頭線改札から渋谷駅の中心部へ行くのは遠い、いまだ工事が終わらず、階段を下って登らされる。ヒカリエホールは、ソール・ライターの写真展を見にきて以来2度目だ。天井が高く広いホールは、思い切ったインスタレーションにはちょうど良い。
観客は展示室の広さからすると少ない。おしゃべりバカグループがいなかったら快適に観覧できたんだが。全て写真撮影可(ただし作品1点撮りは不可)。

アルバムあります
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121462833&owner_id=2083345
  
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/26_kiseki.html
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近年、国際的な注目を大きく集めている日本の写真表現。しかしこれまで、その代表として紹介される写真家はとかく男性に偏りがちでした。そうした中、2024年夏には、1950年代から今日まで、表現の世界において重要な役割を果たしてきた女性写真家に光を当てた書籍『I’m So Happy You Are Here』が英仏2か国語で刊行。これにあわせ開催された同名の展覧会は、フランス・アルル国際写真祭を皮切りに世界巡回を続けています。いずれも、新たな角度から日本の写真表現を辿り、その歴史を見直す画期的な出来事として高く評価されています。
その凱旋記念となる本展は、出品作家・展示内容を拡大し30名の女性写真家を紹介するものです。「写真」という枠組みを超え、インスタレーション、コラージュ、映像など、多様なアプローチによる作品約200点が一堂に集結。記憶、身体、日常、ジェンダーなど、様々なテーマに向けられた彼女たちのまなざしと、創造性に満ちたそれぞれの表現。数年後に拡大移転を控えたBunkamura ザ・ミュージアムが、あらゆる個性の渦巻く街・渋谷を舞台に、「写真」を通じて問いかける本展をお見逃しなく。

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【出展作家(50音順)】
石内都/石川真生/今井壽惠/岩根愛/潮田登久子/岡上淑子/岡部桃/オノデラユキ/片山真理/川内倫子/小松浩子/今道子/澤田知子/志賀理江子/杉浦邦恵/多和田有希/常盤とよ子/長島有里枝/楢橋朝子/西村多美子/蜷川実花/野口里佳/野村佐紀子/原美樹子/ヒロミックス/藤岡亜弥/やなぎみわ/山沢栄子/米田知子/渡辺眸


30名中作品を見たことがない写真家は11名いたが、それ以外は、写真美術館、国立近代美術館、現代美術館その他現代アート系美術館でしばしば見ているし、山沢栄子、岡上淑子、石内都、石川真生、蜷川実花、志賀理江子、川内倫子の6名については美術館での個展を見ている。
写真展は美術展に比べあまり見ていないと思ったけれど、結構知っているじゃん私、といい気になっていたら、大変なことをしてしまった!

順路通りに見終わって会場を出たけれど、あれ、これだけ?なぜかすっきりしない。作品リストはないので、チラシを見返したら、第2章の展示室一つ分をごっそり見落としていることが判明。がーーーーん。
ぼ〜っとしていたわけでもないのに、こんなこともあるのね(歳かしら)。そのショックを語ったら、友人が東急の株主優待券を送ってくれた。展覧会が無料で見られる!リベンジに再び渋谷へ。友人に感謝感謝。
 
第1章 「写真」をめぐる冒険−想像力を解き放て!
フォトグラムやコラージュ、インスタレーションなど、写真というメディアの可能性を拡張する作品を紹介。撮影するだけではない、「写真とは何か」という根源的な問いを投げかける。

その前に一枚の写真。
撮影者は、幕末から明治初期にかけて活動した日本初の女性写真師。この頃の写真は長時間露光が必要で被写体は同じ姿勢と表情を保ち続けなければならないのだが、写っている島の夫は笑顔でカボチャと扇子を手にしている。日本最初紀の笑顔の写真なのだ。
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山沢栄子(1899〜1995年)

日本初の女性プロ写真家。都写美で回顧展をみた。1960年代の政治的、社会的なモノクロ写真の潮流の一方で、カラー抽象の先駆者となった。
今見てもモダン。記録する写真から絵画の領域に踏み込んで、アートになった写真。
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杉浦邦恵(1942〜)
写真による多様な表現を提示し続けてきた写真家。さらに絵画的な表現で、個人的にはとても好き。移ろう自然の儚さ、美しさを抽象的に表現し、今でも活躍されているという。いつか回顧展があったら行こう。
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岡上淑子(1928〜)
写真家というよりフォトコラージュ作家。2019年庭園美術館でみた回顧展はとても面白く、以来ファン。甘美でシュール、一度見たら忘れられない。瀧口修造に絶賛されたにも関わらず結婚で活動をあっさり辞めてしまうのって時代だなぁ。時を経て再び人気。
(右 猫飛んでます)
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オノデラユキ(1962〜)
クリスチャン・ボルタンスキーがナチス大虐殺を暗示するため膨大に積み上げた古着の一部をパリの空を背景に1点1点自立させて撮影。着ていたものを撮影しして、個人の存在、その歴史を示唆するのは、石内都の二番煎じ的な気がしないでもないが、以前都写美でみた作品と全く違うので、新たな気持ちで見ることができた。背景がいいな。
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今井壽惠(1931〜2009)
以前近美常設で鑑賞
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今道子(1955〜)

同じく近美で初見、衝撃的だった。ウルメイワシの頭や鶏の足を大量に使って作ったオブジェを撮影。げっと思いながらも見入ってしまうのは、ディテールをきっちり写した写真技術の美しさのせいかも。
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多和田有希(1978〜)
ハンダごて等で部分的に焼き切られ、穴があいたり輪郭が変形したりした複数枚の写真をアクリルボックスの中でレイヤーに重ねたものや
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写真を燃やした灰を釉薬にした涙壺は

うーん、これが写真家の写真制作と言えるのかは疑問だけれど、美しく、面白いものであったことは確か。
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小松浩子(1969〜)
ごめん、こちらは面白いとも感じなかった作品で。
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蜷川実花(1972〜)
オペラシティアートギャラリーや庭園美術館で2度個展を見ており、原色イメージの蜷川実花であったが、今回は意表をついてモノクロ。初の水中撮影だそうだが、モノクロでも蜷川実花ワールドなのはさすが。この人の場合映像作品の方がずっといい。
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2「記録と記憶」をめぐる冒険ー目に見えないものに向かって
写真は目の前の光景を記録するものだが、そこには失われつつある記憶や、声にならない小さな物語に丁寧に耳を傾けることが大切。

常盤とよ子(1928〜2019)
女性写真家の草分けのひとり。横浜の赤線地帯の女性の日常を女性写真家の目で切り取った。この時代にこれができたことはすごい。
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石内都(1947〜)
私が日本の女性写真家で初めて感銘を受けた人。母、広島の被爆者、画家フリーダ・カーロの、それぞれの遺品を撮影したシリーズはどれも胸を打った。女性が身につけていた美しいものの裏に、痛みや苦しみが滲む。
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石川真生(1953〜)
沖縄に生まれ、米軍基地問題を抱える沖縄と、沖縄を巡る人々をとり続けている。沖縄人だから撮れる写真。2023年にオペラシティで大回顧展があり、ご本人が車椅子でいらしていたっけ。
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西村多美子(1948〜)

唐十郎の舞台を撮影していた人、初見かも。フィルムで撮った粗粒子やハイコントラストのモノクロはその時代的ではあるけれど、いい写真だな。
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渡辺眸(1939〜)
東大全共闘のバリケード内の撮影を唯一許可された写真家だという。安田講堂の立てこもりは私の記憶の最初期のもの。安田講堂は、旧公衆衛生院と同じ内田祥三の設計で、とても優美なのね。瓦礫との対比が哀しい。
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米田知子(1965〜)

森美術館「ワールドクラスルーム」という現代美術の展覧会で初見。フロイトの眼鏡でユングのテキストを見る、など含蓄のある写真。
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藤岡亜弥(1972〜)

何気ない日常のスナップだけれど、広島の今を等身大の自分で見つめる。
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志賀理江子(1980〜)
昨年、アーティゾン美術館での山城知佳子とのジャムセッションはなかなか衝撃的だった。相変わらず薄気味悪く、得体の知れない写真群だったが、土着のものをしっかりと見つめる写真家の眼差しに今回も惹かれる。
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岩根愛(1975〜)

この人のこの作品もまた印象的で良く覚えている。都写美で初めて知った。ハワイの日系人が盆踊りで踊る「フクシマオンド」と震災後の福島をパノラマ写真で繋ぐ。
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3 「女性」をめぐる冒険ージェンダー、身体、セクシュアリティ
自らの身体や社会との関係を見つめる作品。現代の写真家の多くが取り組んでいる、現代的テーマなのかな。
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やなぎみわ(1967〜)
新美や現美の現代アート展で紹介される作家だ。案内嬢たちが商業施設などの虚構的な空間に佇む姿で、消費社会における記号化された女性を表現したこのシリーズで有名。
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片山真理(1987〜)
先天的に四肢が不自由で、現在両足義足の片山氏。身体をかたどった手縫のオブジェや立体作品、装飾を施した義足を使用した個性的なセルフポートレイトは唯一無二で、社会的規範への問いかけとなる。都写美で初めてみた時、こういう形での主張こそが「現代的」なのだと知る。
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澤田知子(1977〜)
一人で400人分の証明写真を証明写真機で撮った作品、自身のお見合い写真を30人分撮った作品。「自撮り」の手法を用いて「内面と外見の関係性」をテーマにする。
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野村佐紀子(1967〜)
アラーキーこと荒木経惟氏の唯一の弟子。エロティックでありながら静謐な闇を表現した写真は私好み。現代的表現もいいが、私はやはり正統的な写真のほうが好きだな。
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岡部桃(1981〜)
自身の不妊治療(体外受精)や妊娠、出産、そして障害などをテーマにした作品。
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長島有里枝(1973〜)
このシリーズは都写美で見た。写真表現というより現代アート
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4「日常」をめぐる冒険ー見過ごされた風景の中で
何気ない風景を見つめ直すこともまた、写真が出来うること。

楢橋朝子(1959〜)
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潮田登久子(1940〜)
様々な家庭の冷蔵庫の扉を開閉したシリーズ。こういうのは案外面白い
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開けると猫が覗きにやってくるのだ
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原美樹子(1967〜)
ファインダーを覗かずに撮る。古いフィルムカメラの味が、見る者の記憶をも引き出すような。
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野口里佳(1971〜)
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ヒロミックス(1976〜)
ガーリーフォトブームの牽引者
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川内倫子(1972〜)
とても人気なのか、都写美などあちこちで見かける。今回は映像作品。淡く柔らかい光を捉えるのが上手い。映像のみ。

最後の廊下に写真集と写真家の言葉、それから100年の写真歴史の年表と資料が並ぶ。
女性写真家は早くからメディアに取り上げられたこともあったが、男性写真家と肩を並べた「写真家」と認知されたのは驚くほど最近のこと。そうそう、確かについこの間まで「女は機械オンチ」と思い込まれていた、私が会社で「お茶汲み」をしていた時代ね。

8月26日まで

アルバムあります
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