砂嵐あるいは神の沈黙か 安物のドアを叩きつづける #短歌
( )←ここに何かを入れなきゃいけない気がして僕はまばたきをする #短歌
つまむため凹みがあると知るたびにやさしさだけを選びたくなる #短歌
生き延びてどうするんだよ 泥水に顔を浸して笑いあおうぜ #短歌
書き直すたび形を変えてきたもの 最後は同じ温度で残る #短歌
この私が褒めてあげるんだからもう君の細胞全部に感謝しなさい 短歌
入れすぎたぶんのやさしさがあってちょうどよさにはまだ届かない #短歌
ハッピーなゼリーみたいにふるえてる ねえ宇宙(そら)ごと食べてもいいかな #短歌
コンビニの自動ドアにも無視されて僕は僕だと一応思う #短歌
…ええもちろん。ほどけませんので業務用の接着剤で固定しました #短歌
あ、ほどけたって笑うきみの八重歯まで僕のものだと思い込んでた #短歌
「火星でも通用するね」って微笑んで君はゼリーの青を掬った #短歌
入国審査で唾を吐け 名前なんてただのシールの剥がれ跡 #短歌
きらきらのスタンプみたいにだまりあう どこにもいかない旅をしようよ #短歌
水になる名前を捨てた境界で正しく揺れる透明な椅子 #短歌
圏外の森に迷ってわらっちゃう 名前とかまじどうでもよくない? #短歌
僕が二人いる場合 住民税は倍になるのかという問いは保留 #短歌
水のなか重なり合えば嗅覚はただしく白く濁りはじめる #短歌
水になる なれなかったもの名前をつけて白くすすぎ流して #短歌
逆光に溶けるてのひら 砂を噛むような予感の夜と青 #短歌
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