回り続けるものだけが知っている止まれないまま腐ってゆく速度 #短歌
どの線と断てばひとつの孤独だけ 盛り上がるのは傷の記憶か #短歌
冷めてゆく過程ばかりが残されてことばはいつも灰をまとって #短歌
消えなくてもいいよって言えなかったね 指だけあったかくて困るよ #短歌
ねえなんでここだとちゃんとできるんだろ おうちに帰るとぜんぶだめなのに #短歌
うまくできない夜にだけわかること それでもぼくは起きようとしてる #短歌
三十分あればちょっと仲良くなれるかもまだ来ないひとと椅子とぼくで #短歌
理由ってこんなに白くなるんだね 皿に置かれてやっとわかった #短歌
その花はまだ誰のでもないままで こめかみひらき余寒をほどく #短歌
持ってるよでもそれだけじゃない気もする 正しさの外で手をひらいてる #短歌
忘れてもいいことだけがやわらかく 金木犀にひかりをもらう #短歌
ここがいちばんやわらかいところですって言ったあとでちょっと怖くなる #短歌
冷えてゆく手をポケットで丸めればなにかやさしいものに触れそう #短歌
終わったはずなのに耳があたたかい そこにさっきのぼくがいる #短歌
届かないことばかり積もっていて手はいつまでも途中にある #短歌
信じてほしいって言えないかわりに手だけが先にあなたを探す #短歌
掬われてしまったあとのやさしさがわたしの内で形を失う #短歌
半分こってむずかしいね 静けさはすぐにこぼれて笑ってしまう #短歌
やわらかくされてしまったところから人は少しずつ息をはじめる #短歌
宛名がないから届かないのではなく届かせないためにないのだ #短歌
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