高木由利子氏の写真を初めて意識したのは、2023年の「クリスチャン・ディオール展」だった。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984359657&owner_id=2083345&from=list_diary_search
これまで見たこともないような幻想的で躍動的で静謐なファッション写真は、本物のクチュールが居並ぶ展示室においても存在感があり、心を鷲掴みにされ、作者の名前をしっかり胸に刻んだ。
その人の写真展がBunkamuraザ・ミュージアムであるという。
会期はたった20日間、入場無料。Bunkamuraは2023年を最後に東急本店とともに閉館したはずだ。チラシを手にした時頭の中が??混みそうだな、どうしようか…行ってきた友人のレポを見た。超カッコいい展示、即時決行!月曜日夫が朝一番の胃カメラ健診を終えて帰ってくるのを待って出かけた。
Bunkamuraへはいつも井の頭神泉駅から行く。その方が我が家から近いし、静かだ。
Bunkamuraの建物はそのまま残っていたが、東急百貨店本店は取り壊されて工事中だった。地階のザ・ミュージアム以外は、カフェもギャラリーもシアターも、もちろんドゥ・マゴパリも全て閉館していて白いパネルで覆われ、写真展へ誘導する案内人が数人立っていた。
Bunkamuraザ・ミュージアムは、2000年代から企画展があるたびに毎年1〜3回は行っていた好きな美術館だった。本当にこれで最後なんだなぁ、とちょっとしみじみ。
会場はぶち抜き、配線剥き出しコンクリート打ちっぱなし。ロッカーは撤去されていたので要注意。
写真撮影可。
アルバムあります
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121421049&owner_id=2083345
会場の照明は暗く、プリントされた作品群がスポットで照らし出されており、動線は自由。なので、多くの人が入っていたが、混んでいても気にならない。
作品は全てモノクロームで大きく、手でちぎった竹和紙に印刷されており、燕脂色の布に貼られ、2枚一組背中合わせに天井から吊られて、錘で床に固定されている。
会場奥には、アクリルボックスが無造作に積み上げられていて、オリジナルプリントや世界各地で集めてきた私物が展示されている。ここにもスポットライトが当たり、時々照明の強弱が変化する。
映像作品《同時多発的装飾》(2026)は、2000年代始め頃に撮影した渋谷のスクランブル交差点の映像と「Threads of Beauty」シリーズの写真を同時に映し出すものらしいが、残念ながらこの日は「調整中」。大型スクリーンであった。
展示構成を担当したのは、建築家の田根剛氏。高木の作品に通底する「ノマド」を感じさせる空間で、作品に没入できる。
さて、肝心の作品であるが、高木氏が1990年代よりアジア、アフリカ、南米など12ヶ国をめぐり撮影してきたシリーズ「Threads of Beauty」の中から、各地の伝統的な衣装をまとい生活する人々のポートレートで構成されている。
デザイナーとして、そして写真家として、長くファッションを仕事にしてきた高木氏。「本来の服と人との関係とは?」「ファッションって何だろう?」「本当の格好良さとは?」と疑問を持った時出会ったのが、民族衣装をまとい生活する世界各地の人々だった。身体と衣服が一体化したその姿に「かっこよさ」を感じたという。当時すでに失われつつあった民族衣装をまとう人々を被写体に、民俗史的な記録ではなく、そこにある「かっこよさ」を写し取ろうとしたのである。
人と着るものが一体になっているさまが美しい。「私はここにいるという風情を纏っている人たち」だ。
「服は人にとって、アイデンティティであり、財産であり、喜びである。糸を手で紡ぎ、植物で染め、手で織り、手で編み、それをまとう。ボロボロになるまでずーっとまとう。穴が空いたらパッチワークをあてがい、またまとう。そうして、大切な服は引き継がれていく。…グローバル化はアイデンティティを消滅させる一方向に向かっているが、大自然のテンポと同調して生活している人ぶとが存在する限り、私は、彼らの“風情”と出会う旅を続けたい。」
インド、ネパール、中国、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、ペルー、ナミビア、ボリビア、イラン、日本…
ご時世がら、イランの写真は複雑な思いで見た…。
アルバムあります。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000121421049&owner_id=2083345
3月29日まで
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/26_takagi.html
Bunkamuraが参画する渋谷の街を舞台にしたイベント「渋谷ファッションウィーク」では、これまで2回にわたりBunkamuraの建築を使ったアートインスタレーションのプロジェクトを行い、好評を博しました。
3回目となる今回は、京都・二条城で開催したKYOTOGRAPHIEでの展示(2023年)や、クリスチャン・ディオールとのコラボレーションも記憶に新しい写真家・高木由利子の〈Threads of Beauty〉シリーズに焦点を当てた写真展を開催。会場構成を、場所が持つ「記憶」を掘り起こし、未来へとつなぐ建築家・田根剛が手がけます。
ファッションとは何か―。
その壮大な問いの本質を追い求め、世界各地の伝統的な衣服をまとい生きる人々の日常を、写真家・高木由利子が30年間にわたり撮り歩いた〈Threads of Beauty〉シリーズ。本展では、その集大成の中から精選した作品をご紹介します。
高木は英国・Trent Polytechnicを卒業しファッションデザイナーとして活動ののち、写真家へ転身します。当初は風景やヌードを主題としていましたが、やがてファッションブランドとの仕事にも携わるようになります。なかでもディオールのアーカイブピースを独自の視点で捉えた作品群は、写真と衣服との関係性に新風を吹き込みました。近年では、自然現象の不可思議さに焦点を当てた〈chaoscosmos〉シリーズを発表するなど、その活動は多岐にわたります。
衣服や人体を通して、自然界の一部としての「人の存在」を見つめ続ける高木の試みの中でも、本展で展覧する〈Threads of Beauty〉はとりわけ長期間に及ぶ根幹的なプロジェクト。日本における着物のように、世界各地の伝統服が日常生活の場から姿を消しつつある現状を、高木は惜しみつつも、現代の生活様式へと移行する上での自然な営みとして受け入れています。何より高木は〈Threads of Beauty〉を民俗史的な記録としてではなく、被写体となった人々の文句なしの「格好良さ」に魅せられて撮影しています。「格好良さ」の追求は、すなわちアイデンティティの探索でもあり、それは渋谷であれ、世界のどこであれ、さらには時代をも超えるいわばザ・ミュージアム現展示室における最後の展覧会の命題とも言えるでしょう。
Shibuya Upper West Project」(2029年度竣工予定)における新施設への拡大移転を控えているザ・ミュージアムは、Bunkamura休館中(一部の施設を除く)、引き続き代替施設における活動を続けてまいりますが、テーマ性・先見性・話題性を重視した多彩なジャンルの企画展を開催してきた現展示室での展覧会は本展が最後となります。約40年にわたりアートとの出会いを紡いできたザ・ミュージアムの現展示室にお入りいただけるこの貴重な機会をどうぞお見逃しなく。











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