mixiユーザー(id:8077411)

2026年03月12日12:36

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短歌

消し忘れみたいに胸の奥でまだ小さな湯気が立っている夜 #短歌



アイロンをかけても消えない線があり たたんだ夜の深さを知った 短歌



空席のまぶたを閉じるみたいにね時間の羽を胸へしまった #短歌



ハンガーが少し重たい気がしてる きみのかたちがまだ揺れている #短歌



風がまた砂利を転がしまぶしさにザラザラしたる春の断面 #短歌



鍵とレシート触れ合う音だけがきょうの終わりをゆるく知らせる #短歌



踏みしめた気配のあとをなぞる風 さよならよりも白い光よ #短歌



春がきて手のひらの上やわらかにあたまをのせて晴れを分け合う #短歌



名の前のやわらかい距離あたためる だれでもないと言う息の白 #短歌



自分だけ守る作戦描きつつ春のまなざし花にかくして #短歌



紙幣よりやわいまぶたをひらく夜 人の形は羽で測れる #短歌



くるくると祈りを指で巻きなおし出口のほうを見ないふりする #短歌



聞くほどに輪郭のない声ばかり 耳のひかりをそっとはずした #短歌



散ることを季節のせいと言いながらきみの不在を抱いている午後 #短歌



細くなる会話の糸を結ぶ指 つよがる背中 月がやわらぐ #短歌



浮き足のまま買いすぎた絵はがきが夜の鞄で急に色褪せ #短歌



水音をまぶたの裏で受けとめて羽の隙間をすり抜ける午後 #短歌



止めし火の暗がりにまだ息があり 抱えた星は名を持たぬまま #短歌



さわれないままのやさしさ置き忘れ 月の裏側ひかりにほれる #短歌



むすばないゆびのかたちがまだあってページのすみに白がふくらむ #短歌




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