mixiユーザー(id:8077411)

2026年03月10日22:06

26 view

短歌

卓上の灯り消さずに椅子を引く 書きかけの頁 閉じぬまま置く #短歌



嘘だからやさしく触れる爪の先 割れた月さえこちらを向いた #短歌



迷わずに差し出す骨の透ける先 白紙のなかに火種を置いた #短歌



白線を喉まで引いて立ち止まる 沈黙だけが旅券を持って #短歌



神の余白しずくみたいにしみる午後 ひらがなだけがゆらり漂う #短歌



触れたあと名を失くしたる白の底 赦しのように影がひろがる #短歌



あいあいとふくらむ午後の風船よ一回きりの空へ放とう #短歌



川沿いにほどける白い息の帯 まちがいさがしまだ終わらない #短歌



靴音が来るはずもなく滲む床 待つことだけが正解になる #短歌



ぎりぎりのところで笑う午後が好き 限界線を越えて手を振る #短歌



ほどけても消えはしないと言いきってひかりの縁を跳ねる足音 #短歌



からっぽの胸にひびくは靴の音 軽さはいつも少し寂しい #短歌



言い返すかたちの中で息を吸う わたしでない熱わたしに触れる #短歌



口を閉じ時間の縁を踏み外す 過去にされゆくわたしの体温 #短歌



並べても同じにならぬ体温よ 代替という言葉を拒む #短歌



ひとくちで世界は少し裏返る メロンの午後に白い雲のせ #短歌



知らないと言ってしまえば軽くなる ぜんぶ世界のせいにして寝る #短歌



撫でられたふちの冷たさ抱えつつしまいきれない夜をひらいて #短歌



ポケットの布の暗がりあたたかく 言葉に触れる前で止めたい #短歌



カーテンを閉めた部屋には夕焼けのこぼれたとこだけ残しておくね #短歌




★




0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2026年03月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

最近の日記

もっと見る