指先で書かないままの白を抱く 名前になる前のぬるい光の #短歌
温かいというと壊れそうだからさ そっとしたまま朝を待つんだ #短歌
コンビニでいちばん安いガムを買う つづきのぼくが噛みはじめてる #短歌
スマホには容量不足の表示だけ今日も消せずに増えていきます #短歌
だれよりも小さな留守を抱きしめて自販機だけが光っているよ #短歌
約束をしなかったことだけがまだやさしく残る夜のすみっこ #短歌
水だけで生きてきました的な顔してる野菜を信じてしまう #短歌
ベランダに洗われている言葉たち 明日の影を拾わないまま #短歌
ハトヤの歌を口ずさむのみの昼 ポケットの砂こぼれきらずに #短歌
LAWSONで水だけ買って立ち止まる帰ると言えば距離になるから #短歌
キッチンにまだ食べずいるお菓子置く 明日用にとわたしを残す #短歌
昭和です?そんなことより夕焼けが売り切れそうで君を呼んだよ #短歌
考えるふりをやめたら静かだね 宇宙の端に布団があるよ #短歌
石だって休む日がある川の横 流れないぶん丸くなってる #短歌
神さまも迷う日があるらしいです 犬の背中に夜が居座る #短歌
燃えるより消えないほうがむずかしい 炎は今も仕事中です #短歌
皮膚ごしに心臓だけが数を打つ 列はまだまだ人にならない #短歌
引き出しにしまうつもりの未来まで今はそーっと置いておくんだ #短歌
鍵穴に本音落として聞こえないままでいられる選ばれた夜 #短歌
水だけがふたりの間を知っている こぼれぬように夜を支える #短歌
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