欲が立つと言われた後に夜がある そこにあるだけ少し信じる #短歌
湯気のなか肩書き眠る砂糖飴 舌で溶かしてひみつになるよ #短歌
それでいいだれにもみせずあるくひとよろいの中にねつがあるひと #短歌
塾やめたその日の雪が甘かった 世界がすこしやさしくなるよ #短歌
下書きの余白にだけは灯るもの 街はそれさえしまいこむんだ #短歌
ただめんどうくさいだけでも生きてけるそんな気がする すこし好きです #短歌
座らないひとがふえてく今日もまた声にならない椅子をならべる #短歌
別にいいって言ったあとの静けさでまだ欲しいって知ってしまった #短歌
探してたんってことにしてよかったね 終わりきらない夜があるから #短歌
きのうのひとがうすく重なるハンガーにわたしはきょうをかけそこねてる #短歌
湯気のなかどれがどれだかわからない それでもみんな生きているよね #短歌
拾う理由がまだないだけでたぶんもう拾うつもりではいるんだと思う #短歌
ゆがみって触ると光るねてのひらで自分のずれも見えちゃうから #短歌
剥かれないみかんを見るとなぜだろう今日がやさしくなってしまうよ #短歌
待っているというよりももうここにいるだけみたいな感じで生きる #短歌
月を見てなにもしないを選ぶ夜 空白だけがやわらかいです #短歌
まだあるよたこ焼きがあるそれだけでもういちどだけ生きていいかな #短歌
怖さって白く積もるね胸の奥踏めばきしんで道になってく #短歌
奪われてそれでも器があるという事実が少しあたたかいです #短歌
追いつけずただそれだけがたしかだと思っているとにじんでいくよ #短歌
約束って思い出すより先にくる匂いの記憶みたいな感じ #短歌
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