立ち止まることも行き先だったんだ 靴が小さくうなずいた夜 #短歌
拍手ってほどけるとただの空気でさ 床だけちゃんと現実してる #短歌
なんかもう言葉が重くてドア重くて蝶番だけが全部知ってる #短歌
それ以上言わないための帰り道 靴音だけが話し続ける #短歌
優しさを優しさって呼んだ瞬間もうちょっと遠くなる感じ #短歌
拾われぬままのやさしさを歩かせて朝に触れたらもう他人です #短歌
雨のあとそのまま置いた感じの間 しゃべると全部こわれそうです #短歌
遠路と知り合い歩みを置けば灯りまた黙してうなずく夜の相槌 #短歌
渡るたび違う名前を胸に貼る ひとりでいれる時間のために #短歌
勝つよりも負けない場所を探してる 風を吸うたび名前が増える #短歌
起こさずにおいた未来がぬくもって布団の端で息をしている #短歌
なんとなく帰ると言えず人混みを抜けたらちょっと自分だったな #短歌
今じゃなくていい感じが続いてて決めないままがちょうどいい朝 #短歌
閉じたまま育つ気配に耳を当て何も言わずにそばにいるから #短歌
帰るって言った時点でほぼ帰ってる 体のほうが早いんだよね #短歌
ポケットに入れてる間はしゃべらない手だけがちゃんと生きてる感じ #短歌
耳を閉じ増えてく影とすれ違う だれの名前も持たないままで #短歌
欲しいんでしょって言われると欲しくなる ベルってたぶんそういう装置 #短歌
切ったあと残るぬくもり抱えたまま夢と言わずに朝を待ってる #短歌
ほどかない理由がないってなんかいい 今日がちょっと居座ってる感じ #短歌
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