波音を閉じた頁に重ねればまぶたの裏で朝がひらける #短歌
熱風が考え事を、乾かして前のほうから今日が始まる #短歌
ウホばかり打てたら楽でそれでもさ既読の夜は人でいたくて #短歌
触れられて最期になると知りながら花は光を返してしまう #短歌
歩くたびまぶたの裏の夢が鳴る 道は眠気を離してくれない #短歌
真夜中の回転音だけ信じてる 沼は少しずつ形を変える #短歌
あふれだす陽射しの端で影になる君を失わず抱える世界 #短歌
青すぎて人間すこし休みます 空にログアウトまた戻ります #短歌
この街は鉄でできてる 広すぎて心臓ひとつ落としそうです #短歌
その声の軽さに影がついてきてチョコの甘さが死をやわらげる #短歌
ハンドクリームしみた静けさ書斎には触れずに触れる時間があるね #短歌
立ち止まる癖が名前を持つころに信号だけが先に行ってた #短歌
実体は呼ばれるたびに薄くなりりあじゅうだけが鳴き声になる #短歌
正しさの外側にいる白い粒 名前を持たず溶けては残る #短歌
追われても座れる場所は残されてドリンクバーの氷が溶ける #短歌
透明な胃のひだたちがひらくたび飲み込んだ言葉花に戻れる #短歌
わからないままでもいいと喉が知る 旋律だけが人生だった #短歌
フラッシュのひかりが月とまざりあい冬の夜空に影を残せり #短歌
明日降る雪をひとつの映画だと信じて眠る部屋の灯りは #短歌
丘のうえ息はやわらぎ鳥になる 風を忘れる速さで生きる #短歌
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