雪のない商店街を抜けながらミニスキーで来たぞと笑う #短歌
転んでも残るかたちを持たぬまま滑って泣いた夜の機械よ #短歌
終電は最寄りを過ぎてまだ走る 光だったと言い張るために #短歌
未来ってどこに置くのと聞き返す欠けた歯の奥まだ今日がいる #短歌
揚げ油まだあたたかく紙袋 言葉にできぬ距離を運んで#短歌
紙一重言葉を伏せる審判の夜の記録に風だけが触れ #短歌
夕まぐれ鍋の音聞く悔いは湯気 ひと晩でさめ明日が温い #短歌
見上げても届かぬ高さうす青く つららは窓の外側に立つ #短歌
生きてほしいと言われた声反芻し火口湖だけ更新されず #短歌
電線の外へはみだす月を見て君の鼻歌少し遠のく #短歌
結ばれてなお迷ってる白滝は感情未満の場所にあたたか #短歌
校庭に血はないけれど叫びあり勝たぬ練習を今日もしている #短歌
白蛇は日付をまたぐ細い橋 踏み外さずに朝へ渡れた #短歌
白線の外にも雨はしみてゆく 包むようにも握られた米 #短歌
笑い合う二つ目のグミ溶けながら世界の端で名もなく甘い #短歌
ココア置く静かなあいだ国ができ飲み干すころにほどけてゆけば #短歌
影たちが中心へ寄りまた散って忘れるたびに君は生まれる #短歌
舗装路に花をこぼして都市は言う これは祝祭だったはずだと #短歌
もういいよまだだと画面息を止めホラーみたいに通知鳴る夜 #短歌
指紋消え机は白くなるほどに生きてた証ひかりに貼られ #短歌
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