一口に切れば世界はまあるくて君の咀嚼がやさしい地図だ #短歌
触れたことあるとつぶやく指先にまだ名のない雨ひらいては消え #短歌
荷物増え未来の地図が少し鳴る 新居へ向けて音を足してく #短歌
焼きむらのしずかな地図を指で追い母の涙のやさしさを食む #短歌
デフォルトの青いざわめき胸に置きまだ割り切れない私の電卓 #短歌
隠してることなどないと笑うけど袖のしわだけなにか知ってる #短歌
外ばかり見ていた服をほどきつつわたしの影を縫い直す月 #短歌
待たされてほどける気持ちの端っこの糸だけそっとポケットで鳴る #短歌
思惑を重ねたとたんずれる音 なにを触ったつもりだったか #短歌
封筒の角まだ白くひらひらと遺産という名のやさしい沈黙 #短歌
玄関でまだ笑ってる蛙ごと未来を抱いて生きなおす兄 #短歌
ありのままひかりの形を抱きしめてほこり舞う部屋少し鳴る風 #短歌
庭石にふれる影からひそやかにひとつ笑って昼寝する庭 #短歌
ぎょうさん掻っ攫いますと言いながら笑うあなたの影ふたつぶん #短歌
張り詰めた乳房の奥でまた跳ねる 言葉を抱いて風より速く #短歌
とくべつと言われるたびにそわそわし 爪の光だけ先に立ってく #短歌
めっちゃリアルな話をするとくちびるが少し未来をためらっている #短歌
床消えてニュース速報の帯ひかり靴裏だけが今日を覚える #短歌
週1で会うだけなのに呼吸まであなた仕様に並んでしまうよ #短歌
この世からこぼれた歌がただひとつ雪の白さに還りたがって #短歌
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