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2025年10月25日20:09

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肌寒い雨の土曜日の穏やかな読書

 10月25日土曜日、終日雨。
 夕方、とても穏やかな気持ちだった。
 午後イチから水上勉の『良寛を歩く』という紀行文に借りた良寛論を読み、続けて沢木耕太郎ノンフィクション作品集第�挟�『有名であれ無名であれ』巻末所収の「バックステージ」を読んだ。あとがきというより沢木が思うインタビューの肝とノンフィクションはどこまで(被取材者に配慮しつつ)文章化すればいいのかという主題を丁寧にひもといた20パージにわたる寄稿だった。
 水上勉の文章に接したのは20年ぶりになる。昭和の文豪と言ってもいいような作家だが、21世紀は彼のような文学を欲する声もなく、三島由紀夫のような時代の「文化」的色合いが薄い作家は軒並み話題に登らない。私がこの集英社文庫を読もうとした目的も良寛和尚の生涯と思想をもっと知りたかったからで、ブックオフで偶然手に入れたのだった。
 今の時代、九分九厘の発表物はパソコンで書かれているが、この本が出た1986年はほぼすべての日本語が手書きだった。手書きの文章とパソコン使用の文章に差があるはずはないのに、読んでいくうち水上勉の執筆姿勢や思考回路がなんとなくわかるような気がした。ときどきはATOKにも登録されていないような漢字や熟語が出てきたり、感情が溢れ出しているような文章があったりして、良寛論とは別の面白さがあった。
 沢木耕太郎はたぶんパソコン書きだろう。が、全体の構成と細部に至る論理的な叙述はそのまま無批判になって身を任せたいような安心感があって、さすが「人生の秀才」だと嬉しくなってしまった。付け入る隙がない文章、と言える。
 いい読書時間を持てて、ここ最近の溜まりに溜まったストレスが半減できた。
 昨日は家から出ていない、今日もほぼ歩いていないものだから、地元のしょぼいスーパーまで傘を差して行ってみた。で、始末品のインゲンとキャベツと小松菜を買って帰宅。5千歩に届かない。
 晩御飯は鰻丼とインゲンのゴマよごしと、卵と三つ葉のおすまし。
 7月あたりから毎週のように鰻を食べるようになってしまった。絶滅危惧種ゆえ、誰に詫びることもないのだが、罪悪感がある。
 毎週だから、中国産の鰻。
 タカイチの所信表明演説で中国に喧嘩を売るような文言があったとかなかったとか。
 日本の世論だと、中国寄りの政治家や文化人は売国奴だとか。
 私は百円ショップでゴミのようなプラスチック製品を買ったり、中国製のファストファッションを控えているにもかかわらず、中国頼みの生活にどっぷりと嵌まっている。いま、机の上を見まわしても、iPhoneもiMacも外付けHDDも無線マウスの中に入っているリチウムイオン電池も中国製だし、たぶんニトリの天井照明だってIKEAのテーブルライトだって中国製だろうし、システム手帳カバーやメルセデスのロゴ入りボールペンだって日本製かどうか怪しい。好んで食べる柿ピーのピーナッツは中国産だし、室内用スリッパはたぶんメイドインジャパンじゃない。つまり、家の中も、身体の中も中国依存。
 アメリカから離れて、中国にもなびかず、そのど真ん中に日本が在るのが望ましい。防衛はともかく、メイドインアメリカが一つもない家庭はいっぱいあるはずで、アメリカの重要性なんてないと言ってもいいくらいだ。
 タカイチの話題に戻るけど、わずか数十秒の間に作り笑いを4回5回と繰り返し、暗い表情をしたかと思うと、目に怒りをたたえ、その1秒後にほがらかな笑顔になって、という精神の不安定さを誰も指摘しないのが不思議だ。女性というただ一点でサッチャー元英国首相と対比させたりする報道もあるけど、あんなに大袈裟な笑い顔をしたサッチャーを見たことがないし、まるでシグナルのように5秒ごとに笑顔→真顔→笑顔→真顔を繰り返す人造ロボット的な表情はそもそもみっともない。上に立つ者は、動じない性格でなければいけないものだ。
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