花火より白く月照る帰り道 団子の湯気と毛布のやさしさ #短歌
耳塞ぐ少年の横で鳴り響く不協和音に似たまなざし #短歌
リーゼントの角度で生きる父の背に老眼鏡がよく似合ってた #短歌
拍手だけ残して帰る風の中エキシビションはまだ終わらない #短歌
帰ることただそれだけの意味をもつ月の位置にも秩序があって #短歌
謝ったあとも笑ってくれたからそれで贈ったことにしている #短歌
泣いたあと口に残った後味を思いだすたびまだ生きている #短歌
信号の青になるまでいえなかっま 探せるはずがないということ #短歌
秋みたいな秋みたいな秋みたいな秋はどこにも見つからなくて #短歌
笑っていれば笑っていれば夜がくる おもしろくなる途中で泣いてる #短歌
グッズ作り終えてしまえばただ静か君の笑顔の形が残る #短歌
変化へと流れる雲を見ていたら自分の形も少しずれてた #短歌
ほころびを縫わずにいても夜がきて「もういいよ」まだ言われてない #短歌
目的地と目的のあいだ 風がいて呼ばれたようなふりをして行く #短歌
寝過ごして降りた足もと夜があり幻のわれ座席にぬくし #短歌
肩書きのひとつを借りて息をする ぬるい夜風が背中をなでる #短歌
朝の湯に夢の名残を溶かしつつ軽きままでは生きては行けぬ #短歌
「努力する」って言いかけた君の口 ひとつ残らず眠らせてやる #短歌
とおい日の雪をころがす手のなかでこわされたまま光がのこる #短歌
午前二時ファミレスの灯をかぞえつつわたしてまはない話ばかりしている #短歌
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