ベンチには誰も座らず積まれてく笑い話の続きはどこへ #短歌
夜のなか毛生えそめゆく恐竜を繰り返し見る夢の奥まで #短歌
一輪車十字になって進んでく笑い声まで風を切り裂く #短歌
化石より薔薇色のシャツ汗ばみて未来の影を抱きしめている #短歌
砂浜で扁平足の跡ひとつ わたしを責める太陽の午後 #短歌
放課後に職業的なほほえみをパズルみたいに頬にに描いて #短歌
告白は時報の中でさらわれてかなしみだけが耳にのこれる #短歌
いまだけを信じるように目を閉じる2クール目には君がいなくて #短歌
避けてみる強がるように髪を結う やがて溶けゆく夏のかたちを #短歌
修学の旅を京都でくりかえす分割払い青春のあと #短歌
7秒で濡れてしまえば街ごとに雨は記憶を塗り替えてゆく #短歌
胸どうし開け閉めされてドアになる ゆうべの蝿はまだ夢にいて #短歌
食べられぬままに置かれた甘さには君と過ごした午後がついてる #短歌
脱げた靴脱ぎたくなくて歩き出す子供の声を遠くに集め #短歌
謎に豪華 流れる曲を笑いあい スーパーの列に陽射しが落ちる #短歌
愛のアイス 恋のランドリー 猿真似をふたりで笑う水の回転 #短歌
饅頭の口へ届かぬ間のあいだ 艶めく時間ほどけて落ちる #短歌
傘さしても濡れていたまま帰る道 悲しみにはたどり着けない #短歌
はにかんだ口角にまだこめつぶが 夕陽の中で笑ってしまう #短歌
半野良のでぶねこ叱る声がして人語まじりの夢がほどける #短歌
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