畦道にいちばん白いかたちだけ まちがえて降りた鳩がひとつぶ #短歌
カゴの中 あなたの生活まる見えでわたしの晩ごはんも決まってく #短歌
ピーピーと靴音だけがついてくる 透明なぼくのかくれんぼです #短歌
通知にはこない晴れ間のその下で干されたままのわたしの時間 #短歌
透明なあたしの成分0.2% ハイターのにおいでバレてしまった #短歌
みやげもの売り場で決めた運命が夜のお菓子と書いてあった #短歌
鍵ひとつ見つからなくて君の背が昨日よりまた言葉みたいだ #短歌
君の手が首にふれててたぶん今 ぼくたちは言葉じゃなくて動物 #短歌
君だけがきちんと来てて ふりかけをひと口分だけ置いて帰った #短歌
大人とはクリームと一緒にそっとセロファンまで飲み込む技術 #短歌
君のこと忘れたふり昼休み みそカツパンをたしかに選ぶ #短歌
わたしにも順番がきた 終バスの車窓に浮かぶ見たことのある日 #短歌
君のあと ほんのすこしだけあたたかいベンチの夢をつめたく座る #短歌
スクラッチ 夢の皮だけむけていく「はずれ」と書いた空のひとひら #短歌
何でもないと呼ばれているこの壁をきみは今日また越えずに眠る #短歌
机からこぼれたことば拾いながらぜんぶ並べてから泣く予定です #短歌
くもりゆくメガネの奥にひとりいる わたしを誰も見つけられない #短歌
ただひとり炒め菜っ葉のにおいしてこの手を嗅いで少し安心 #短歌
ねえ眠るだけの夜なのにこんなにも呼ばれている気がする 孤独に #短歌
洗いたてだったはずなのにね あの白がどこかで熱を抱いて溶けたか #短歌
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