6月23日日曜日、雨と曇が交互の一日。
昨夕、メーラーを起ち上げると、昼イチの送信で福島在住の天才編集者からメールが入っていた。詩人全集のような編集作業をしている時、メーラーは閉じている。ブラウザは調べもので使うので起動しているが、なるたけ使わない。集中力が途切れるてしまうから。
結果的に届いてから4時間後に彼のメールを読むと、「東京に来ている。明日、東京駅周辺で会えないか」という誘いだった。
頚椎症で肩も腕も背中も痛い。外出は控えたいところだが、すぐに反応した。
OK! 明日東京駅近くで会いましょう。
私は彼の自由闊達で常に知性的な発想を羨ましく思っている。人間の価値に上下はないのだが、彼に対してやや引け目を感じているため、少し卑屈な気持ちがある。
東京駅12時45分着。
途中、品川でいったん下車し、かつて住んでいた頃の街を少し歩いた。33年前まで品川と田町の間にあるマンション住まいだった。
都知事選の選挙ポスターが駅前にあった。が、9割が”空きママで”、なんともブサイク。N党の下劣きわまりない悪用が話題になっているが、公示3日も経ってポスターが貼られているのが1割という景観を損なう掲示板は実に空虚だった。
東京駅八重洲口から地下街徒歩2分にあるエクセルシオールを待ち合わせ場所にしておいた。ここなら迷ってもすぐわかるはずだ。
12時50分頃に入店したら、彼はすでにいた。テーブルに置かれたアイスカフェオレが9割方残っていたので、入店直後だろう。
彼は開口一番、「会いたかった」などと言う。お世辞か。即座に、彼の編集能力を心底尊敬していることを告げたら、意外な返しがあった。
私をして、(正規ルートで入社していない自分とは違う)本物の編集者で、しかも(田舎者の自分とは違って)なにもかもがオシャレで、恐れ多いと。
ひとというのは自分にないものを見ると、隣の芝生は青く見えるものだ、ということがよくわかった。
予約している東北新幹線下りまでの2時間、途切れることなく会話は進んだ。
彼は今年後期高齢者になる。が、脳力は20数年前と同じで、サルトルや小林秀雄の言などを援用しながら、ご自身の考えをわかりやすく述べられる。やはり私は小さな引け目を覚えつつも、卓球と同じでいいラリーができるよう、彼が述べた考えを演繹的に広げて自身の解釈や賛意を示すよう努めた。
私に頼みがある、と彼は言う。
小説を書いている。読んでくれないか。
喜んで読みましょう、と答えた。
別れ際、私から握手を求めた。敬意とシンパシーを表したかったからだ。
と、彼は握手後、私を強くハグし、「会えてよかった」と言った。
本来は互いにクールな性格ゆえ、珍しい展開なように思う。
会津かあ。軽〜い気分でクルマを走らせる、という距離じゃないな。岐阜よりは近いけど(笑)。
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