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2023年07月04日12:10

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ホンネで語る3日間のことなど

 昨日、張り替えをお願いした網戸が届く。「これから極楽寺(中村雅俊主演の「俺たちの旅」や小泉今日子と中井貴一主演「最後から二番目の恋」の舞台になった町)を出ます」と電話があったので、それを受けて銀行へ貯金をおろしに行き、帰宅したらちょうど先方の車が到着したところだった。ナイス・タイミング。
「弟が坂の下にスリランカカレーの店を半年前に出したので、よかったら食べに行って。シェフはスリランカ人なので本格的な味です」と誘われたので値段を訊いた。こういう質問をするというのは行く気があるからだ。「ライトハウス」という店名。
 晩御飯を食べ終わったあと、土日の疲れが出たのか、横になりたくなった。と、スマホに電話がかかってきた。
 幼なじみからだった。家は30メートルと離れていない同級生。話しながら自分の立ち位置について戸惑う。小学生時代の自分と今の自分はこれが同一人物かというほどに変化した。勝ち気で喧嘩っ早く、成績とプライドが並外れて高いというお決まりのイヤなガキは、とにかく争い事が苦手で自己評価が著しく低く、そのせいでいびつな謙虚さが身に付いてしまい、すっかり自信が失せている。だから昔話を蒸し返されても、白々しく受け止めてしまう。が、一方で彼の現況を聞いている限り、ついついその後の50年も含め、小学生時代の差は縮まるどころかむしろ広がっているように思えた。
 私は自身について他者との相対評価をすることはほぼない。それもあって異常なほどクールに自分の弱点や誤謬を洗い出しては卑下する。この性向を少し和らげてやらないとそれでなくても生きることに疲れているような半生ゆえ、この先は苦しみが増す一方だろう。かといって、彼やかつての同級生と見較べながら自己評価を上げてどうする? みたいな疑問は残る。

 7月1日土曜日、神奈川大にて後田多敦ゼミ主催の上映会『しまくとぅばで語る戰世(いくさゆ)』を見た。島言葉で語られた沖縄戦の証言映像で、比嘉豊光監督が千人ものインタビューを記録した中から、今回は3人の女性証言者の映像だった。米軍上陸で沖縄住民が避難したチビチリガマとシムクガマでは、戦闘後に対象的な事態になったとされている。前者は集団自決、後者はアメリカ事情に通じた人が「強姦も虐殺もないから捕虜になろう」と呼び掛け無事生き延びた、とされている。が、事はそう簡単なものではなかった。チビチリガマでも生き残った住民はいた。
 島言葉は沖縄の人でも話の1割くらいしか理解できない。ましてやヤマトンチュウにわかるわけがない。だから簡単な字幕が付けられていたのだが、それを読んでいても、厳密には理解できないところが多かった。
 上映後比嘉監督が登壇され、後田多教授と対談というスタイルで話をされた。映画以上に教えを得た。監督は「島に返すために証言を撮っている」と繰り返し言っていたのだが、そこを強調されるのは島言葉と島の歴史をこの先も途切れることなく残しておくべきだ、と考えているからであって、この証言を楯に日本政府の戦争責任を問い詰めるという政治性を可能な限り排除して臨んでいるのだ、ということではないか? 私がサヨク映画にある種のウザったさを覚えがちなのは、政治的主張が前面に出がちなところがあるからだ。

 翌2日。今度は自分が属している市民運動グループ主催で、呉充功監督の『隠された傷跡』『払い下げられた朝鮮人』2本立てを上映。私は会場係だった、
 こちらは、関東大震災時の朝鮮人虐殺を巡る証言ドキュメントで、呉充功監督のというより在日朝鮮人の痛みと叫びを映像としてまとめた傑作である。これも政治的意図より前に人間ありきで、ナイーブな自分には堪えた。
 監督の話の中でちらっと言われた「流言飛語くらいで人間が人間を虐殺するものなのか?」という問いかけは、私がこの50年、ずっと抱えている疑問でもある。竹槍で朝鮮人の目を突いたり、乱打されて失神状態にある朝鮮人を川に投げ入れられるものだろうか? これが戦場で敵兵と遭遇したという局面なら、そのくらいの残虐性は恐怖心からやってしまうが、弱り切った人を前に自分がされたら絶対イヤなことをできるのか? 
 そういう人間が数多かったというのは、日本人のメンタリティが腐っているか、天皇制とその教育が腐りきっていたからかのどちらかでしかない。政治ではない、そもそも人間が狂っているのだ。
 関東大震災時から100年が経った今でも、狂ったままの日本人は多数いる。そういう人間が政治の頂点に立っていたり、ネット上の無数にあるドブ川に潜んでチフス菌をばらまいている。
 輪廻転生などありゃしないだろうけど、人を人とも思わず生きている人間を長く続けていると、必ず未来でしっぺ返しをくらうだろう。私はそう信じているので、基本的人権やダイバシティを常に意識している。
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