朝9時半、突然の訪問者。市役所・環境保護課の職員だった。昨日、害獣駆除の相談電話をかけたら、木曜日、つまり明日来訪してくれるということだったのに、前倒しでやってきたのだった。
仏教の十善戒に不瞋恚(ふしんに)という教えがあって、要は常ににこやかな心でいなさいという戒律なのだが、なるたけそうありたいと思う。内心、「日にちが違うだろ」と思ったものの、おくびにも出さず、獣の侵入痕まで案内し、この1週間の時々聞こえる爪で何かを引っ掻く音を説明し、他にもいくつかあった怪奇現象を話した。
ハクビシン、タヌキ、アライグマに加え、タイワンリスとネズミの名を挙げられ、とりあえず捕獲罠を置くということになった。貸与期間はとりあえず1ヶ月。
それから1時間が過ぎた頃、キッチンにある裏口のガラス戸を開けた瞬間、あっと声を上げた。なんと裏口前にネズミがいたのである。
初めて見た。小学生時代、ドブのような小川でよくドブネズミを見かけたが、それから50何年間、ネズミなんて見たことがなかった。
裏口前のネズミは一瞬で山に消えた。が、つぶさに見ることができた。体調は10センチに満たない。丸々とした体型で、調べてみたらクマネズミだった。
市役所に電話を掛け、「先ほど来ていただいた者だが、職員さんが帰られて1時間後、クマネズミを見た」ということを報告し、「この電話に応答しなくていい。あまりの絶好なタイミングでネズミがいたものだから、そのことを伝えておこうと思っただけ」と付け加えた。
昼ごはんをはさんでずっと動画編集をしていた。午後4時、講演者に長いメールを書いた。内容は「著者校」の問い合わせ、権利関係の相談、動画撮影失敗のお詫びなどなど。メール書きで1時間。
さらに九条の会メンバーに経過報告のccメールを出し、他にも返信が求められるメールの返事を書いたら午後5時を回っていた。その間の4時間、一度も席を立たなかった。あれま、このくらいの集中力がまだ自分にはあったのか。
が、パソコンから離れたときには完全虚脱状態で、もう何をする気力も残っていなかった。自室のソファーでつげ義春の「流れ雲旅」を開き、絵を眺め、紀行文を読んだのだが、果たして1週間後、内容を覚えているだろうか。それくらいに頭が働かない。
今晩中につげさんの本を読了できそうだが、こういう精神状態で読むのがもったいないな、
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