mixiユーザー(id:6486105)

2021年08月13日12:36

181 view

体力80歳の私が行く旅(最終回)

 体力がない、ひ弱である、慢性疲労症候群ではないかと常々疑う虚弱体質だが、膝や関節の痛み、そして腰痛はこれまでのところ無縁で来ている。
 宿の計らいで小屋に用意してくれた寝具は、敷き布団2枚、掛け布団が夏用と春秋用の2枚で、要は敷き布団(やや薄い)2枚を敷いて、暑ければ薄いほうの掛け布団を使えということである。そば殻枕もあった。
 敷き布団は1枚だけ敷いた。床はフローリングなので、腰痛持ちの人にはこれだとつらいかもしれない。しかし、私には1枚で事足りた。全身が包み込まれるような寝心地のベッドも好きなら、今回のように直に床で寝ているのと変わらない堅さも気にならない。
 2夜とも就寝する頃は鎌倉の秋くらいのしのぎやすさで、Tシャツだと寒いくらいだった。宿の人は予約時も、到着した時にも、「暑さ、大丈夫ですかね。万が一暑過ぎて寝れなかったら、ロッジの部屋を一室空けておきますから、ロッジで扇風機にあたりながら寝てください」と心配してくれていた。が、私は普段からクーラーのない部屋で寝ているので、12時間クーラーつけっぱなし、くらいの居心地の悪さを感じるくらいに涼しかった。
 8月10日朝。
 雨と風は治まり、朝食はオープンテラスに用意されていた。湖と対面しながらいただく。デザートを持ってきてくれた若女将に3つ4つの質問をした。
Q1 ゴミ、とりわけペットボトルは持ち帰ったほうがいいの?
Q2 市川大門は和紙が有名だが、和紙を売ってる文房具店はある?
Q3 同じく、桃の安売り店、蔵出しの味噌を売っている店は?
Q4  郵便ポストはどこにあります?
 ゴミはそのままで可。
 和紙を売る店はなく、地元でも特産品を売り出さないといけないと考え始めたところ。
 市川大門に味噌醤油の蔵はない。桃を買うのは結局、道の駅がいい。
「和紙じゃないですが、和紙を使った文具を作るアーティストさんがこの近くにいらっしゃるんです。彼女は画家なのですが、娘さんが素晴らしい農家民宿をやっていて、『人生の楽園』にも出たんです」と付け加え、ここのロビーにそのアーティストが作った便箋とはがきと一筆箋を置いてある、と。
 デザートを食べ終わって、早速見てみた。結構高価だったので、節約したい私は一筆箋だけを買った(350円+税)。
 まだチェックアウトまで時間があるので、だらだらと湖畔で過ごした。
 ロッジ泊まりのご家族2グループと、3メートルの距離を置いて短い会話をした。連泊したかったそうだが、今日はボーイスカウトの予約が入っていてかなわなかった、と。コロナコロナと大騒ぎの夏なのに、結構繁盛しているのね、無理もなかろう、この湖畔は人間が住む町とは隔世の感がある。キャンパーや宿泊客は一応マスクを着用しているのだが、どう見ても意味あるものとは思えず。ここでのノーマスク状態は、東海道線・横須賀線に30分間マスク2枚重ねで乗車するよりも安全な感じがする。
 午前10時少し前にチェックアウト。宿泊料を支払った際、料金総額なんてアバウトにしか知らないのだが、なんとなく500円くらい安い印象だった。なんでもこの宿は宿泊客も含めて駐車料金が発生する、と聞いていたのだが、私はゼロ円だったのか?
 丁寧にお礼を述べ、荷物をクルマに積み込んだ。バケツを借りて数分、クルマを水洗いする。嵐のおかげでクルマのボディは葉っぱと小枝だらけになった。ちなみに、水は四尾連湖の水を汲んだ。
 郵便局は若女将から場所を聞いたのだが、念のためナビに市川大門郵便局と打ち込み、場所を確認。
 出発しようとしたところで、若女将が走ってこちらにやってきて、「はい、これお土産にどうぞ。市川で作ってるんです」と地元産の柿酢サイダー2本を渡してくれた。
 バケツを元に戻していよいよ出発。
 くねくね道ゆえに安全運転を心がける。ここで事故ったら恥さらし以外なにものでもない。20分後、郵便局に隣接するドラッグストア着。駐車場が広い。
 高校の恩師宛に書いたハガキと隣の郵便局前のポストに投函してクルマに戻ろうとした。その時、気付いた。
 左腕のスマートウォッチがない。
 どこで落としたのか、あるいは置き忘れたのか。
 小屋を出る前、確認した。というか、24時間装着している。
 実は落とす可能性がないわけではなかった。夏なので白いベルトにしたくて、異様に安いサードパーティー製のベルトを購入して替えたのだが、ベルト穴が大きくてなんかのはずみで一度、時計が落ちたことがあった。
 わずか20メートルだが、郵便局までの道を探し、さらにはクルマの運転席周辺もくまなく探したのが、見つからない。
 宿に電話をした。
「ロビーに落ちてましたよ」と女将に告げられ、引き返すことにした。たぶん、一筆箋を選んでいる時に落ちたのだろう。
 20分かけて四尾連湖に戻り、無事スマートウォッチを受け取った。
 お世話になりましたぁ。
 これで甲府南インターへ一般道で行き、途中にある道の駅に寄って桃を買おう。
 四尾連湖では涼しいくらいだったのだが、下界に降りると汗が吹き出した。
「道の駅とよとみ」で桃やブドウが並んでいる台を見た。
 桃はいちばん安いもので2個440円、1個800円という上等そうな桃もあった。ブドウなんて私には問題外で、シャインマスカットは1房3500円、2房入りの箱なんて8000円だ。すごすごとその場を離れ、昼食代わりに「シルクソフトクリーム」380円を買って食べた。店内全体の客足はいいようだが、ソフトクリーム売り場前のテーブルは私一人だったので気が楽だった。
 甲府南インターまで15分か20分くらい。中央高速に乗って快調に飛ばした。
 クーラーの効きが悪いクルマは暑い。かといって高速ゆえ、窓を開けて走るわけにもいかない。盆地気候の暑さは当たり前だから、納得して走るより他ない。
 途中、ほとんど誰も利用しない地味さの藤野パーキングエリアで小休憩し、トイレとコーヒー。頭の中では厚木パーキングでもう一回休憩するつもりだったが、付近が渋滞中なのでおそらく満車だろうな。
 お腹はソフトクリーム一個で腹4分目くらいだし、一気に帰るか。もう一杯コーヒーが欲しいが、私のクルマにはドリンクスタンドがなく、普段はペットボトルを助手席フロアに置いて水分補給しているのであった。ドリンクスタンドなんて100均でも買えるのだが、そういうものをダッシュボードに付けると一気に所帯じみてしまうので、要らない。
 中央高速から圏央道に入り、しばらく走っていたら海老名の前後から渋滞という表示がたびたび出る。厚木PAも予想どおり満車だった。
 圏央道を走っていても、トラックより一般車が多い。県をまたいでの移動は自粛、という政府のアナウンスは、少なくともクルマを使う人には響いていないと思う。公共交通機関はともかく、クルマを使う限り、ほとんど人と接することがないのだ。今日の自分を鑑みても、道の駅の野菜&果物コーナーで人と数人すれ違っただけで、この他、2メートル以内に人がいたのは藤野パーキングのトイレくらいか。
 私が海老名付近を走る頃にはほぼ渋滞も解消され、快調に走る。藤沢ICで降り、鎌倉に向かう。途中、月2の割で利用するお馴染みのブックオフに寄って小休止。トイレを借り、古本をチェックしてたら、伊豆から長野あたりまでの広域マップが見つかり、これを買う。もう一冊、文庫も買った。
 スマートウォッチの一件があったが、無事なにごとも起こらず、帰宅することができた。虚弱な私にとって、これくらいの旅がいまや「冒険」だ。時々YouTubeで、東京・鹿児島、東京・青森(但し下道)といった長距離ドライブ動画を見ることがあり、この俺だって……と思うことがあるのだが、年寄りの冷や水になりそうだ。

この項、終わり
 
6 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年08月>
日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031