午前11時を少し回った頃だ。
自室の掃き出し窓を開けて、ラズリと並んでうつ伏せで雨を見ていた。
五月雨と呼ぶのがいいのかな。
冷たい低気圧の影響なのか、部屋の温度計は21度で、窓を全開してると寒いくらい。
そろそろ窓を閉めようかね、と思ったところで、新聞回収の人がやって来るのが生け垣の隙間から見えた。
今日は朝日新聞独自の回収サービス日で、1カ月分の古新聞を出しておくとビニールで個別包装されたトイレットペーパー1個と交換してくれる。
「ご苦労さまでーす」
反射的に私が声を掛けたら、
「どうもです。そちらまで(トレペを)お持ちしましょうか?」
と彼は答えた。
20歳代の青年だった。
あとで自分が持って帰ります、と断って、ラズリと一緒に見送った。
前足を三角形のカタチにしてその間に顎を置いて、ラズリはなごんでいた。
なんだかその姿がとても悠長で、大瀧詠一の名曲「スピーチ・バルーン」を不意に思い出した。
♪もう遠すぎて なにも映らない
なぜ大瀧詠一なのか、自分でもよくわからず、脈絡がない発想。
しかし、なにかの情景を前にして音楽に結びつくことは、私にはよくあること。
静謐な一日になった。
写真はそのときのラズリ
ログインしてコメントを確認・投稿する