mixiユーザー(id:6486105)

2018年10月23日21:07

196 view

この本を買った特別な理由

 車検のために中古車店を訪ねてクルマを預け、JR大船駅まで送ってもらった。
 体調がおもわしくないので、ドラッグストアに寄った。その後、歩いてブックオフへ。面白さが滲んでいる本に出会ったら少しは気持ちに張りが出るだろう。
「108円〜200円」の文芸系単行本・著者別棚で、タイトルも著者名もよく掴めないハードカバーが目に付いたので、棚から引っぱり出してみた。
『凍土十二人行黒スープ付き』、雪舟えま、筑摩書房刊。
 ジャケ買いをしたくなるほど、カバーデザインが秀逸で、装幀者を見るとクラフト・エヴィング商會だった。やっぱりな。書名と著者名の明朝系教科書体と、特色3色を上手く使った中性的な少年のイラストが、品の良さを感じさせる。
<とある寒い星を舞台に 気鋭の歌人・小説家が贈る ハートウォーミング・ストーリー>と帯に謳っていた。SFなのだろうか。ヤングアダルト系? そうであればパスしたい。が、筑摩書房の本だから、一定水準以上のブンガクかもしれない……。
 しかし、ためしに本文を開いてみたら、どことなくラノベっぽい。俺には合わないな、と感じた。が、本文の間に分厚いハガキが挟み込まれていた。雪山で遊ぶ3人の子どもたちが描かれた絵はがきだった。裏面を見ると、手書きで文章が書かれている。

  <糸井重里さま ほぼ日スタッフの皆さま
   こんにちは、〇〇〇〇〇と申します>

 という書き出しで、献本する挨拶が書かれてある。
 この本は「ほぼ日」編集部がブックオフ(もしくは古本屋)に売ったものであることがわかる。よくあるケースだ。が、仕事が丁寧な編集部であれば、こういう私的な内容物は処分して売る。このはがきには個人名と住所まで書かれているのだから、まずくないか?
 なんだか気の毒になった私は、この本を買うことにした。本は棚に戻してこの絵はがきを本から抜いて駅のゴミ箱に捨てることも考えたのだが、この行為も万引きにあたるかもしれないから。
 家に帰って、あらためて中身を見たら、240ページで4本の中編が収められている。
 最初の一篇「とても寒い星で」を読んでみた。40分くらいで読めた。
 ライトノベルで、ファンタジーで、啓蒙的で、自分の好みからはおよそ遠いのだが、面白く受け取った。こういう才を私は認めなきゃいけない、と思った。
 結果的には、私が200円を払って献本を受けたわけだが、どうせならはがきに感想をしたためて投函してみようか、といたずら心が今なおある私は思ったのだった。
https://www.amazon.co.jp/%E5%87%8D%E5%9C%9F%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E8%A1%8C%E9%BB%92%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%97%E4%BB%98%E3%81%8D-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E9%9B%AA%E8%88%9F-%E3%81%88%E3%81%BE/dp/448080465X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1540284575&sr=1-1&keywords=%E5%87%8D%E5%9C%9F%E4%BA%8C%E4%BA%BA%E8%A1%8C
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年10月>
日 月 火 水 木 金 土
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031