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2018年01月14日17:22

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ライブを聴きにサンライズ・タウンへ

 昨夜は今年初のライブを聴きに行った。横浜の賑やかなダウンタウン日の出町にあるライブハウスだ。
 開演3時間前に家を出る。横浜駅での乗り換えで、ブックオフに寄りたかったのと、軽い晩ご飯を腹に入れておきたかった。早めの出発ゆえ、2時間のブックオフ滞在が出来る。
 横浜のブックオフは旗艦店だけあって、八重洲ブックセンターと同じくらい長居したくなる。新刊本だと5冊まとめ買い、なんて軽くなった財布にはきついけれど、ブックオフならおとな買いも可能だ。ジャケ買いするのもあまり躊躇しなくて済む。
 文芸の棚で平松洋子さんの『なつかしいひと』という単行本を手に取ってみたら、本を軽く握った瞬間、簡易フランス装だとわかる。簡単に言うと、ハードカバーとソフトカバーの中間の表紙なのだけれど、個人的にはいちばん好ましい装幀だ。コストがハードカバーより高いため、制作費の関係上、採用できなかったことから自分の中では憧れ度が増した、ってこともある。考えてみたら、平松さんの本は10冊以上持っているのだが、一度も新刊で買ったことがないはずだ。ブックオフに行って未読の本があれば買う、というのを繰り返している。優れた書き手ゆえに、私は悪い読者だ。ちなみに、この本は200円だったのだが、用紙代と製本代で200円になる。まったく白紙の「束見本」でこれくらいのコストがかかる。
 たとえばこんな文庫も買った。宮脇檀の『日曜日の住居学』(2013年5月、河出文庫)。単行本の初出は1983年4月だから、30年も経って文庫化されたことになる。この本は単行本で読んだ。が、内容も大半、覚えていない。いや、宮脇さんの本は一時はまって4〜5冊愛読したので住まいのあり方や旅の仕方についていくつかの教訓が生きているのだが、それが『日曜日の住居学』で語られていたのかどうかは忘れている。懐かしいお名前だ、と思って手にしたのだが、解説をみたら、最も好ましい作家の松家仁之が書いているじゃないか。そうなると、俄然、買う気にさせられる。
 ひとりごとをつぶやいているわけではないが、気になった(古)本に出会うと、心の中で幾人かの自分がつぶやく。住まいは生き方である、と建築家の宮脇さんは主張しているが、おまえの部屋の佇まいや物に対する扱い方を見直してみる気持ちはないのか、と分身Aが問うと、分身Bは「宮脇さんのエッセイ集で、マンションを夜に遠目から見て、白っぽい蛍光灯色なら粗雑なファミリーマンションで、電灯色の昏さだと高級マンションだと書いてあったのはこの本じゃない?」と言い、分身Cは「80年代の建築エッセイと21世紀のインテリア論はどれくらい違っているのか、少し考えてごらんよ」と私に笑って語りかける。
 とにかく2時間弱、ブックオフで本を見て、おとな買いをした。
 ライブが始まる1時間前に横浜駅に向かい、京急で日の出町駅へ。
 会場に向かう途中、晩ご飯代がもったいなくて、牛丼を食べる。ライブ代を払い、新しく出たCDも買わないといけない。
 午後7時にライブが始まる。今日のライブは珍しく「前座」が2組もある。20分前に世俗的な牛丼屋にいた私にとって、先輩ミュージシャンの歌の前にこうしてライブ感というかライブ勘を養うにはちょうどいい音馴らしかもしれない。
 2番目に出てきたミュージシャンは、おおっという驚きの演奏だった。彼が歌い終わっあと、店外に出てタバコを吸っていたのだが、「あれはやったもん勝ちだな」「声量とギターテクニックが半端ねえ」などと、その場にいた5人の喫煙者たちは笑いながら感想を述べ合っていた。
 で、メインのミュージシャンが登場。ライブは午後10時過ぎに終わった。
 昔むかしに先輩から「僕の曲はまず詩ありきだ」と聞いた。私は一曲を通して歌詞を聞き通す「脳力」が欠けているので、どうしても曲ありきになる。だから意識して歌詞を咀嚼しようと構えるのだが、感動してしまう旋律とかギターとか、あるいは言葉が出て来ると、全体が分からなくなってしまう。演奏のバックグラウンドにスクリーンを設置して、歌詞の字幕を流して欲しいもんだ。まあ今回はいい。新譜のCDを買うのだから、家に帰って歌詞カードを見ればいい。
 先輩の見かけはどう見ても50歳代だが、67歳になった。歌詞に死を前提にした言葉が散らばっている。自分が67歳まで生きられるかどうかはさておき、先を歩く先輩の文学観や死生観はためになる暗示が多く、参考になる。
 今朝、歌詞カードを見ながら、ライブで聴いたなかで気になった3つの曲を聴き直した。やはり詩ありきだ。
 自分はこの先、どう生き終えていくのだろう、という暗い命題を明るく考えた。
 正午を過ぎて、スマホのニュースで年賀状のお年玉当選番号が分かったので、すぐに調べてみた。
 くじ運が悪いのに、今年は切手シートが5枚当たっていた。枚数からしたら3枚が妥当なので、嬉しい。来年から年賀状をやめようか、などと懐疑的になっているのだが、やっぱり続けたほうがいいのかな。自分くらいの年齢になると、悪しき慣例とも言い切れない。ぽつりぽつりと友人知人が亡くなっていく年代になったから。
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